サーバーレスのインフラをモニタするEpsagonがステルスを脱して正式ローンチ

イスラエルのEpsagonが今日(米国時間10/17)ローンチしたサーバーレス開発のためのツールは、そのインフラストラクチャのモニタリングを支援する。それが、どこにある何かをデベロッパーが知らなくても。

デベロッパーがインフラのことを知らないのは、サーバーレスの本質でもある。サーバーのリソースは短時日で変わることもある。デベロッパーは一連のイベントトリガーを作り、クラウドのベンダーが必要なサーバーのリソースを動かす。このやり方の美点は、プログラマーがインフラストラクチャのことを気にせずにコードを書けることだ。でも欠点は、オペレーションにとってインフラストラクチャをコントロールしたり理解する方法がないことだ。

Epsagonはこの問題を、サーバーレスのアーキテクチャを見える化することによって解決する。CEOで協同ファウンダーのNitzan Shapiraはこう語る:“うちがやることを一言で言えば、サーバーレスのための分散トレーシングと観察性とコストのモニタリングだ。これまではこそこそとやってきたけど、今日からは会社を正式にローンチする”。

サーバーレスではエージェントを使えない。それをどこへ置けばよいか、分からないからだ。それを置くための固定的なサーバーはない。だから、従来的なログツールも使えない。Epsagonはこの問題を、ライブラリを使うエージェントレスの方式で迂回する。Shapriaによると、同社はそのライブラリをオープンソース化して、それらをデベロッパーにとってより魅力的にしたいと考えている。

同社が最初にサポートするのはAWS Lambdaだが、来年はそのほかのクラウドプラットホームもサポートする予定だ。EpsagonにサインアップしたらAWSの認証情報を入力する。するとただちに、パフォーマンスに関する情報をEpsagonのダッシュボードに表示し始める。ただしShapiraによると、本当の価値はライブラリにある。“このライブラリこそが、うちの道具箱だ。つまり、エージェントと同じ働きをする”、と彼は言う。

スクリーンショット提供: Epsagon

提供するものは、従来的なモニタリングデータだけではない。顧客が費消している費用も分かる。サーバーレスでは、クラウド企業が必要に応じてリソースを提供するが、それゆえにユーザー側のコスト管理が難しい。Epsagonは、今実際にどれだけ使っているかを見せてくれる。

Epsagonの利用料金はまだ確定していないが、最初はセルフサービス方式を採用している。同社のWebサイトにサインアップすると、無料から始まっていろんな料金オプションが並んでいる。いずれも、最初の2週間は無料の試用期間だ。

テルアビブに拠を置くEpsagonは、現在の社員数が11名、営業とマーケティングとサポートの体制ができたら、アメリカにオフィスを持ちたい。同社は1月に、Lightspeed Venture Partnersがリードするラウンドで400万ドルを調達した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。