ザッカーバーグが母校ハーバードの卒業式で語ったこと

[日本版]本稿は、速報としてTechCrunchが公開した記事のアップデート版である。

スピーチを始めるにあたり、マーク・ザッカーバーグは母校であるハーバード大を「世界で最も偉大な大学」と呼び、同校を中退した彼は、卒業式に参加した生徒に向かって「君たちは、僕には出来なかったことを成し遂げた」というジョークを飛ばした。

彼はFacebookの前身であるFaceMashの一件によって彼がハーバードを中退したことに触れ、その後の送別会でPriscilla Chanに出会った時のことを語った。FaceMashが無ければ将来の妻に出会うこともなかったと彼は言い、だからこそFaceMashが彼にとって最も重要なプロダクトなのだと話した。

その後、ザッカーバーグはこのスピーチの主題に入った:目的(Purpose)だ。彼が国中を旅して回ったとき、そこで出会った人々から彼はあることを学んだ。モダンな社会では仕事やコミュニティの重要性が低くなっており、人々はそれによって生まれた空白を埋めようとしていたのだ。さらに、テクノロジーが人間の仕事を奪うにつれて、この問題はさらに深刻なものになると彼は予感していた。

「目的」を再発見するための戦略として彼が最初に語ったのは、大きな課題を解決するプロジェクトによって人々に難しい決断をさせるというものだ。例えば、地球温暖化は解決するのが非常に難しい課題だが、私たちはそれを目指すことにより、ソーラーパネルの設置を人々に促すことができる。もしくは、ある病気をこの世界から失くすという課題にチャレンジすれば、人々に彼らの健康データや遺伝子データを提供するように促すことができる。

そして、彼が話した第2の戦略は”公平な機会”に関わることだった。彼は「私たちの世代が新しい社会契約のかたちを定義すべき時がきた」と言い、人々が自分の役割や目的をもっているかどうかで、その進捗を測るべきだと話した。人々に公平な機会を与えるためには、ユニバーサル・ベーシックインカム、安価に受けられる児童保護制度、フレキシブルなヘルスケアシステム、刑務所の改革、継続的な教育が必要だと彼は話す。

最後に、ご近所の人々と一緒につくるローカルなコミュニティと、地球全体をつなぐ国家間のコミュニティの2つを構築することの必要性に彼は触れた。

世界中に存在する数々の問題を彼がどのように解決しようとしているのか。それを知るためには以下の記事を参照してほしい:Zuckerberg tells Harvard we need a new social contract of equal opportunity“.

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

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TechCrunch Japan

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