ウェアラブルデバイス「Moff Band」を2014年にリリースしたMoff。同社は9月7日、バンダイナムコエンターテインメント、ORSO、TomyK(既存株主でACCESS共同創業者である鎌田富久氏の会社だ)、個人投資家を引受先として、総額1億6000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。
Moffは2013年10月の設立。大阪市主催のハッカソン「ものアプリハッカソン」をきっかけに、ウェアラブルデバイスの開発を目指すことになった(当時の話はこちらをご参考頂きたい)。2014年秋に日米で一般発売を開始したMoff Bandは、Amazonの電子玩具カテゴリーで国内最高1位、米国最高2位を記録。販売台数に関しては明らかにしていないが、Moff代表取締役の高萩昭範氏いわく手応えは好調だという。
Moff Bandは内蔵する加速度センサーとジャイロセンサーによって人の動きを感知。Bluetoothで各種デバイスと連携する。例えば手を上下に振ることで、その動作に合わせて疑似的に楽器を演奏したりできる。
プロダクトは当初“スマートトイ”という触れ込みで製品を提供してきた。その先の構想はあったが、「いきなり(機能を)てんこ盛りにしても売れない。まずはベーシックなモノをと考えた」という。そしてトイというアプローチを通じて、「『体を動かす』ということはゲーム体験として通用するということが分かった」(高萩氏)という。そのため今後は低年齢層向けのトイにとどまらないプロダクトの展開を進める。
Moff Bandで取得した動作や姿勢の情報や独自のデータ解析技術を活用し、フィットネスやヘルスケアの分野でのゲーミフィケーション化を可能にするプラットフォーム「アクティブ・ゲーミフィケーション・プラットフォーム」を構築する。またパートナーとの事業開発も強化する。株主となったバンダイナムコエンターテイメントやORSOとのサービスの共同開発をすすめるほか、米国では10月以降大手玩具チェーン店と組んでの商品展開も予定している。
なおMoffは、米国展開の強化に向けて100%子会社の米国法人である「Moff USA」を設立したことも発表している。CEOには、米AppleやAT&T、ACCESS等で事業開発・アライアンス分野のVice Presidentを歴任したAlbert B. Chu氏が就任する。