スマートニュースは9月19日、ハフィントンポスト日本版の編集長だった松浦茂樹氏が同社のメディアコミュニケーション ディレクターに就任したことを発表した。
松浦氏はライブドア(現LINE)、コンデナスト・デジタル(現コンデナスト・ジャパン)、グリーでメディアの立ち上げに関わったのち、2013年3月にハフィントンポスト日本版の初代編集長に就任した。ハフィントンポストは開始から1年で月間1300万UUのサイトに成長した。同氏は2014年9月に編集長を退任。同月中にスマートニュースに移籍したかたちとなる。
スマートニュースは8月にAtomicoやグリーなどから36億円の資金調達を実施したばかり。人材面を強化しており、9月には元米コンデナストで事業開発担当ディレクターを務めていたバーニー・デイヴィス氏をパートナー担当ディレクターに、元Williamson-Dickie Japan 合同会社副社長の松岡洋平氏をマーケティング担当ディレクターにそれぞれ招聘している。
また資金調達にあわせて大々的なテレビCMも展開している。ただ、当初放映した力士がニュースキャスターを演じるCMは、「反響がイマイチ」(広告業界関係者)だったようで、クリエイティブを刷新する予定があるようだ。
松浦氏にスマートニュースに参画した理由を聞いたところ、「退任発表のブログにあるとおりだが、端的にいえば次の新しいチャレンジをしたいと思った。その新しいチャレンジがスマートニュースにあったから。日本発で世界にチャレンジできるところが一番の魅力」とのことだった。念のために開示しておくが、ハフィントンポスト日本版を運営するザ・ハフィントンポスト・ジャパンは朝日新聞社とAOLの合弁会社。TechCrunchはAOLグループなので、ハフィントンポストとはオフィスも人材面でも遠くない距離にある(オフィスは隣だったりする)。
松浦氏は今後、ニュースリーダーアプリ「SmartNews」のコンテンツ企画面での強化と、ユーザの満足度向上、ユーザー規模の拡大に向けた施策に注力するという。ニュースリーダーアプリはグノシーの「Gunosy」をはじめとしてその覇権争いが激化しているが、これに対して松浦氏は「スマートフォンという世界でニュースの競合とか言っている場合ではない」と語る。「SmartNewsの拡大で多くのメディアとともに成長できればと考えている。これは前職より意識してきたし、それは変わらない」(松浦氏)。ただ、独自に編集部を持ってSmartNews上で独自コンテンツを配信するといった予定はないと前述の資金調達時にスマートニュースから聞いている。