ソフトバンク、滴滴らUberに大型投資へ――会社評価額は700億ドル前後

日本のソフトバンク、アメリカの投資グループ、Dragoneer、中国最大のライドシェア・グループ、Didi Chuxing(滴滴出行)はジョイント・ベンチャーを通じてついにUberへの投資を実施することになるという。

情報源がTechCrunchに語ったところによれば、Uberに対する株式公開買付けの実施は今月末を目標として準備が進められており、 これにはUberへの直接投資に加えて社員、初期投資家の株式の買い上げも含まれるという。

Uberに対する大型投資の提案が取締役会で検討されていることが最初に報じられたのは1月前のNew York Timesの記事だった。TechCrunchが得た情報によれば、この投資は実施される可能性が高いだけでなく、何千人にも上る社員の売却可能な持ち株を買い上げるという株式投資の歴史上、最大となる市場外取引を含むことになりそうだ。

BloombergはUberは$20億ドルから100億ドルに上る投資を受け入れることになるだろうと報じていた。TechCrunchの得た情報では、投資額はこの数字の上限近く、80億ドルから100億ドルになるもようだ。

投資プロジェクトをリードするのはDragoneer、Didi、ソフトバンクだ。ことにソフトバンクはビジョン・ファンドの1000億ドルの資金が利用できる。しかしGeneral Atlanticも参加することになるという情報を得ている。この投資を実施するために特別の組織(special purpose vehicle)が組成されているという。

Uberはこの問題に対するコメントを避けた。

今回の投資ラウンドはきわめて重要なものとなる。投資額そのものも巨大だが、非公開企業であるUberにとってこのラウンドの会社評価額は700億ドル前後になる見込みだからだ。最近のトラブルにより、Uberの企業文化について正式の調査が行われ、その結果、共同ファウンダー、CEOのトラビス・カラニックを含む多数の幹部がUberを離れることとなった。これによりUberの企業評価額は下がるだろうという観測がなされた。しかし現実には大幅にアップしたことになる。

また今回の投資が実現すれば、初期の投資家と多くの社員が持ち株を現金化するチャンスを得る。Uberは長年にわたってこうした持ち株の売却に制限を加えており、社員はストック・オプションなどの形で得た報酬を現金化することが困難だった

Uberのポリシーが厳しい批判を浴びるようになり、今年に入って同社は株式の買い戻しを実施した。情報によれば、Uberは先週、2度目の買い戻しを完了した。対象は持ち株を最大20%まで売却する権利を得ていた数百人の社員だという。

今回報じられた投資が実現すれば、保有株式の現金化(liquidity event)についてUberが受けていた圧力を緩和するのに大いに役立つだろう。新CEOのダラ・コスロシャヒはUber社員に対して「株式上場は18ヶ月から36ヶ月先」だと発言している。

2010年以来、90億ドルを投資してきた株式保有者はこの新たな大型投資の提案を喜ぶはずだ。株式の買い上げが実施されれば紙の上の価値に過ぎなかったものが現金化され、数多くの富豪が誕生するだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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