ソフトバンクが375億円のラウンドで中国発のフィットネスアプリKeepに投資、評価額は2082億円に

フィットネスクラスを提供している中国発のアプリ「Keep」は、Peloton(ペロトン)のようなバイクや健康志向のスナックなど、提供するサービスの多様化を続けており、その野心に資金を注ぎ込むために新たな投資家を迎え入れている。

中国時間1月11日、Keepは最近、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが主導する3億6000万ドル(約374億8000万円)のシリーズF資金調達ラウンドを終了したと発表した。このラウンドには、既存の投資家であるGGV Capital、Tencent(テンセント)、5Y Capital、Jeneration Capital、Bertelsmann Asia Investmentsに加え、Hillhouse CapitalとCoatue Managementが参加した。

この最新の資金調達では、設立6年の同社はポストマネー約20億ドル(約2082億円)で評価されていると、関係者がTechCrunchに語った。Keepの広報担当者がTechCrunchに語ったところによれば、同社は現在、株式公開の予定はないという。

Keepは2014年に在宅ワークアウト動画を提供することでスタートし、3年で1億人のユーザーを獲得した。同社によれば現在では、3億人以上のユーザーにサービスを提供しているという。時間をかけて、動画でライブレッスンを行うフィットネスインフルエンサーのエコシステムを育成し、現在ではコースデザイナー、ストリーミングコーチ、動画ストリーミングビジネスに特化した運営スタッフからなるチームを運営している。

同社の主な収益源は、パーソナライズされたサービスを受ける1000万人のユーザーからの会費だという。また、コンシューマー向けの製品ラインも拡大している。例えば昨年同社は、Pelotonのようにビデオ指導ができる、インターネットに接続されたステーショナリーバイクを発表した。また、アパレル、トレッドミル、スマートリストバンドも展開している。

同社は2018年、海外のホームフィットネス市場を狙ってKeepアプリの海外版を発売した。2019年春まではInstagramやFacebook、Twitterなど欧米のソーシャルネットワークに熱心に投稿していた。

Keepによると、今回の資金調達の目的は、中国政府の「国民フィットネス」キャンペーンを背景に、ユーザーへのサービスや商品の改善、フィットネスのプロへのサービス提供など、近年同社が注力してきた取り組みを継続させることにあるという。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドのマネージング・パートナーであるEric Chen(エリック・チェン)氏は、次のように述べている。「中国の人々の所得が増加し、健康意識が高まるにつれ、フィットネスは人々の日常生活に欠かせないものになっていると考えています」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:資金調達 フィットネス Softbank Vision Fund

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(翻訳:Nakazato)

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TechCrunch Japan

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