ティーンの利用減をFacebook自身が初めて認める–モバイル時代にFBは重すぎる?

今Facebookは、Snapchatのような、ティーン向けのモバイル優先のソーシャルネットワークに脅威を感じているのかもしれない。今日の決算報告でCFOのDavid Ebersmanはこう言った: “昼間のユーザに減少が見られた。とくに低年齢のティーンに”。ただし彼はその前にこうも言った: “合衆国のティーン全体〔全年齢層, 昼夜〕では、Q2からQ3にかけてFacebookの利用は安定していた”。でも、Facebookがティーンを問題として報告したのは、これが初めてだ。

Facebookは、“合衆国のティーンのあいだにはほぼ完全に浸透している”と、おそろしいほどの自信を見せ、低年齢ティーンで落ち込んでいることを示すデータは、ほかにほとんどない、とも言っている。今回取り上げたデータについてEbersmanは、“有意性がまだ不確かである…が、今回これをみなさんと共有したのは、ティーンに関する質問がたくさん寄せられたからだ”、と言った。

低年齢層ティーンに関する今回の不吉な言及の前の前四半期には、Facebookはティーンにとって今でも十分に魅力がある、という声明があった。Mark Zuckerbergは7月に、“とりわけ重視したいユーザ層が、合衆国のティーンだ。ティーンのFacebook利用が減っているという推測や噂がたくさんあるが、われわれのデータによれば、それはない”、と言った。でも、ソーシャルの世界には今、急速な変動が起きつつある。

9月に行われたTechCrunch Disrupt San FranciscoのステージでSnapchatのCEO Evan Spiegelは、一日に3億5000万の”スナップ(snaps)” (写真やビデオ)が送られてくる、と言った。それは、Facebookに一日にアップロードされる写真の数と同じだ。もちろん、Snapchatでなく、FacebookがオーナーであるInstagramに移ったティーンもいるだろう。

それに、アナリストのBen Bajarinは独自の調査により、Facebookが合衆国などの主要国でティーンの利用を失いつつあることを、確認している。

Facebookがティーンに関するニュースを発表した途端、同社の株価は急降下した(下図)。東部標準時間5時20分といえば、Ebersmanがティーンの話をした時間だが、そこで株価は急落している。

これによって、東部標準時間4時に発表された強力な財務報告に伴って15%も上がった時間外取引の株価による、Facebookの評価額上昇額の、数十億ドルぶんが消えてしまった。Facebookの決算は予想を大きく上回り、売上は20億2000万ドル、EPSは25セント、広告収入の49%が今ではモバイルから、となっていたのだが。

ティーンに関するニュースは当然Facebookにとっては打撃だが、Snapchatにとっては追い風だ。噂によると同社は、30億から40億の評価額で約2億ドルのラウンドを検討していると言われる。Snapchatが今後、Facebookからティーンをどんどん奪っていけば、それも楽勝だろう。

子どもたちのFacebook利用が減ったのはなぜか?

前に“Kids Love Snapchat Because They See Facebook Like Adults See LinkedIn”(子どもたちはFacebookがLinkedInみたいだからSnapchatを愛する)という記事にも書いたが、Facebook上のコンテンツの永久性が、子どもたちが逃げる原因の一部になっているのかもしれない。彼らは、Facebookに投稿したものは何でも調べられる、と感じている。友だちとふざけるための、おばかな投稿をしたら、自分の将来の障害になる、と思ってしまう。また、ちょっと変わった意見を投稿したら、親や友だちを心配させ、将来の就職の邪魔になるかもしれない。

もう一つ、ティーンがFacebookを避ける理由は、たぶん、Facebookはモバイルアプリとしては大きすぎるからだ。News Feedもメッセージングも写真もイベントもグループもアプリも、何でもかんでもありすぎる。選択肢が多すぎるので、自分なりの使い方を見つけるのが難しい。そこへいくと、SnapchatやInstagramはシンプルで、やることが決まっている。

さらにFacebookは、一部のティーンにとって、“友だち”が常識と良識をわきまえた人でなかった場合に、トラブルの原因になる。各人が自己主張に真剣なあまり、コメントが過熱してお互いを傷つけあうこともある。Facebookはネット上のいじめ(cyber-bulling)を抑える努力の一環として、情報を提供したり、報告をしやすくしているが、それはソーシャルネットワークにはつきものの問題でもある。単純なメディア共有サイトやプライベートなメッセージングには、あまりない問題だ。

10歳近くになるソーシャルネットワークが、ティーンの感覚にとって古い、という問題もあるかもしれない。

今では、ティーンが世界の方向性を決めていく。Facebookが彼らから嫌われたら、その‘価値感’はやがて、年長の一般ユーザにも感染していく。大規模なFacebook離れは起きないにしても、その利用は減るだろう。

[画像クレジット: LaptopMag, FunnyOnlinePictures]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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