トランプ大統領がTwitter永久停止の網を抜けてツイート

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は、先週の支持者による米国議会議事堂での暴動を受け、Twitter(ツイッター)や他のオンラインサービスからの包括的に締め出された後、「議会議事堂での惨事」に触れたツイートをビデオアドレスのかたちで出すことに成功した。そこではもちろん、プラットフォームから追い出されたことについても語っている。

その動画でトランプ氏は非米国的な暴力を避けるように彼のフォロワーに指示しており、「私の真の支持者は決して政治的暴力を支持することはない」と述べている。それは議会議事堂を破壊した暴徒を「偉大な愛国者」と呼び、「我々はあなた方を愛している。あなた方は非常に特別な存在だ」と口にした数日後のことだ。

その呼びかけから数分後、トランプ氏は歴史的な2度目の非難を受けた後、自分にとってほぼ間違いなく重要なことのために態度を変えた。それは彼の主な統治の道具、すなわちTwitterを禁じられることだ。

「私はここ数日に見てきた言論の自由に対する前代未聞の暴行についてもひと言いいたい」と、トランプ氏は語っている。アカウント停止などの措置は、すべてプラットフォームのルールに違反することが立証されているにもかかわらず。「私たちの仲間である市民を検閲し、取り消し、ブラックリストに載せようとする努力は間違っており、危険です。今必要なのは、相手を黙らせるのではなく、相手の声に耳を傾けることです」。

Twitterによって@realdonaldtrumpのアカウントが停止させられた後、トランプ氏は別のいくつかのアカウントを使ってツイートしようとしたが、それらも迅速にシャットダウンされた。誰もがParler(パーラー)に参加するのではないかと考えたが、それもうまくいかなかった。Amazon(アマゾン)のAWSをはじめとするインターネットインフラ企業にホストを拒否されたParlerは、永久にオフラインになる可能性があると警告されたからだ。

ところでトランプ氏は、そもそもTwitterの強硬な排除にかかわらず、この投稿をどうやって滑り込ませることができたのだろうか。我々はこれに好奇心をそそられた。

以下はTwitterによる回答だ。

このツイートはTwitterルールに違反していません。以前にも明らかにしたように、@WhiteHouseを含む他の公式アカウントは、明らかに禁止を回避したり、Twitterルールに違反するような内容を共有したりしない限り、ツイートすることが許されています。

つまりトランプという人物は禁止されたが、行政機関のトップであるトランプ氏は、彼が在任している残り1週間の間は、米国民にとって重要な事柄を伝える手段としてTwitterを利用する権利を持ち得るということだ。

このことは何が価値のある発信で、何が民衆に暴力を扇動する発言であるかを決定する立場にあるTwitterが、権力側にあるようないささか残念な印象を与える。このアカウントでトランプ氏がやっていることが禁止回避とみなされるかどうか、それをどのように判断するのか、Twitterに明示してもらいたい。

一方、トランプ氏のサプライズツイートとほぼ同時に、Twitter創業者のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、この状況について13ツイート分の考えを明らかにした

これはTwitterにとって正しい判断だったと私は思います。私たちは異常で手に負えない状況に直面し、すべての行動を公共の安全に集中させざるを得ませんでした。オンラインによる言論がオフラインでの危害を巻き起こすことは明らかに現実であり、それが何よりも私たちのポリシーと執行の原動力となっています。

とはいえ、アカウントを禁止することは、現実的かつ重大な影響を及ぼします。明確で明白な例外もありますが、健全な会話を促進するためには、最終的なアカウントの禁止は我々の失敗だと私は感じています。そして、私たちの運営と私たちを取り巻く環境を反省する時でもあります。

ジャック氏は本当の結論には達していないし、新たな計画も明らかにしていない。だが、彼がこのことについて真剣に考えていることは明らかだ。しかしながら、彼が指摘しているように、Twitterやインターネット全般のストレッチ目標のようなものとして彼が思い描いている「1つの人類がともに取り組む」を確立するには、多くの作業が必要になるだろう。

関連記事
Twitterがトランプ大統領のアカウントを永久停止(米議会議事堂暴動から追放までの経緯まとめ)
トランプ大統領はこうしてプラットフォームを失った、テック業界にとって前代未聞の歴史的な1週間を振り返る
AWSが警告どおり米保守系が集うParlerへのクラウドサービス提供を停止

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitterドナルド・トランプジャック・ドーシーソーシャルメディアSNS

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。