RackspaceはNASAと共に、オープンソースのクラウドコンピューティングプラットホームプロジェクトOpenStackの創始者であり、また同社は長年、OpenStackのプライベートなデプロイメントを管理するサービスを企業に提供してきた。しかしそのためには企業ユーザーは、ハードウェアのインフラストラクチャを自前で構築する必要があり、かなりの初期コストを要した。
しかし今日(米国時間4/7)からは、OpenStackでプライベートクラウドを構築したいと考えているエンタープライズ(大企業)や中小企業はRackspaceに、ハードウェアからソフトウェアスタックまで完全なワンセットのOpenStackクラウドを作らせて、そのモニタリングや管理も任せることができる。
これまでRackspaceは材料表を提供するだけで、企業がそれをRackspaceのリファレンスアーキテクチャに従ってデプロイしていた。これからの新しいサービスでは、Rackspaceが自分のデータセンターの構築に使用した仕様に基づいて、必要なハードウェアをセットアップする(それには少なくともネットワーキング、ストレージ、コンピュートなど用のキャビネットが含まれる)。デプロイのすべての側面もやはりR社の社員が管理し、顧客を彼らの新しいクラウドに慣れさせていく。R社はアップタイム99.99%のSLAを顧客に提供しするが、もちろんそれには、同社がコントロールできないデータセンターの停電などは含まれない。
RackspaceのOpenStack Private Cloud担当GM兼VP Darrin Hansonによると、その基本的な考え方は、OpenStackを管理付きサービスの集合の完全なスイートから成るサービスとして提供することにより、それを単純化することだ。現状は、多くの企業がOpenStackを使いたいと思っているが、それができる人材がいない。いたとしても、OpenStackのデプロイは複雑なタスクだ。しかし今回立ち上げたサービスなら人材問題をバイパスできるから、OpenStackの敷居がきわめて低くなる、とHansonは主張している。
Rackspaceはこの方式による新しいプライベートクラウドを、ほとんど世界中のどこのデータセンターにもインストールできるが、同社はEquinixともパートナーしているので、同社のデータセンターでのデプロイならさらに迅速容易になる。
この新しいサービスは当面はOpenStackが中心だが、Hansonによれば、長期的にはほかのサービスやプラットホームにも対応していきたい、という。たとえば、完全な管理を伴うHadoopのインストール、なんかだ。