米国時間4月29日、バイデン政権の労働長官Marty Walsh(マーティ・ウォルシュ)氏は、ギグエコノミーという白熱している問題に言及して、福利厚生を欠いて働く多くの人びとは企業の従業員扱いになるべきだ、と主張した。
ロイターのインタビューでウォルシュ氏は、労働省はギグエコノミーに注目しており、その労働者の位置づけを変えることがバイデン政権の優先課題になりうると暗示した。
「ギグワーカーを従業員として待遇すべきと思われるケースが多い。現状では、労働者の待遇は場所や項目などによってまちまちであり、一貫性がない。全面的に一貫性があるべきだと私は考える」とウォルシュ氏はいう。
ウォルシュ氏によると、労働省はギグワーカーから利益を得ている企業に対して、それらの企業の非従業員に米国の平均的従業員並の福利厚生を確保するよう促すかもしれない、という。
「企業が売上と利益を得ることは、米国では普通のことであり、何も問題ではない。従業員に平均的な福利厚生を与えてなおかつ利益を得ている企業なら、何もいう必要はない。しかし私たちが一般的に求めるのは、企業の成功が確実に労働者の待遇にも反映することだ」とウォルシュ氏はいう。
ウォルシュ氏のコメントは現在のところ、国の施策によって認められてはいない。しかしそれらは、非従業員の労力を利用しているテクノロジー企業で、今だに大きな波風を惹き起こしている。4月29日のこのニュースで、UberとLyftそれにDoordashの株価は下がった。
そのインタビューでウォルシュ氏は、雇用主からの失業保険や健康保険がないギグワーカーのパンデミック関連の心配についても触れた。連邦政府はパンデミックの間に、ギグワーカーに対する福利厚生を認める2つの大型法案を成立させて、施策の緩みを修復した。しかしそれ以外では、彼らにはほとんどセーフティーネットがない。
労働法の改正はバイデン氏の選挙公約でもあり、大統領になってからは労働者保護の強化と労働者の組織化の支援を強調してきた。バイデン氏の政権移転サイトには、労働者保護の拡張に捧げられた部分があり、従業員を契約労働者扱いする誤りを「伝染病」と呼んでいる。
バイデン氏は米国時間4月28日夜の下院との合同会議で、以前からの労働組合の支持を繰り返し、労働者の組合結成や組合への参加を保護する法律であり組織化する権利の保護法(Protecting the Right to Organize Act)を賞揚した。その法律も拡張され、国の悪政を暴露する者にも適用されるようになる。
「ミドルクラスがこの国を作った。そして、組合がミドルクラスを作った」とバイデン大統領は語っている。
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画像クレジット:Jeenah Moon/Bloomberg/Getty Images
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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)