ファッション雑誌さながらのアプリ「TOPLOG」が新たに2億円を調達

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トップモデル、トップスタイリスト、トップブランドを起用

ファッション誌が嫌いになったわけではないが、読んだ後に置き場に困る雑誌はめっきり買わなくなってしまった。スマホでファッション情報を見ようと思っても、ファッションアプリと謳うサービスの多くはファッション誌のようなクオリティーには及ばず、個人的には物足りなく感じている。今年3月にローンチした「TOPLOG」は、ファッション誌と同等のクオリティーを提供するファッションに特化したメディアアプリだ。実際のファッション誌で活躍する日本のトップモデル、トップスタイリストを起用した記事を提供し、TOPLOGはローンチから約4ヶ月で30万ダウンロードを達成している。本日TOPLOGは、2回目の資金調達で2億円をジャフコから調達したことを発表した。

TOPLOG_appTOPLOGの特徴はなんといってもコンテンツだろう。ファッション誌で人気のモデルを起用し、トップスタイリストによる企画が充実している。例えば、流行のファッションアイテムのコーディネートを紹介する記事やヘアアレンジ術を紹介する記事などがある。キュレーションメディアなどで多くみられるような文章が多めで、写真はフリー素材といった記事ではなく、それぞれの記事の企画からレイアウト、写真までこだわりが感じられる内容だ。コンテンツの制作にあたっては、実際にファッション誌の企画を手がけている制作会社やフリーで活躍するプロに依頼しているという。

また、TOPLOGのもう一つ特徴は、ファッション誌によくある読者へのプレゼント企画もあることだ。ユーザーは記事を読む度にチケットを入手でき、チケットを一定数集めると、その時々のプレゼントに応募することができる。この仕掛けでユーザーのエンゲージメントを促すことが期待できるだろう。自社コンテンツ以外にもLOVE、LIFE STYLE、GOURMET、ENTERTAINMENTといったタブでは提携メディアの記事をキュレートしている。

TOPLOGはブランドとのタイアップ記事でマネタイズを行う方針だとTOPLOGは説明する。タイアップ記事では、ブランドの商品のスタイリングを提供し、記事から直接そのブランドのECサイトへの誘導をかける形式だ。下記の画像はタイアップ記事の一つで、確かにタイアップしているブランドのアイテムしか出てこない。けれども、ユーザーが比較的簡単に真似できそうなコーディネートが提案されていて、読んでいても嫌味がなくコンテンツとして楽しめる印象だ。

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TOPLOGのタイアップ記事

大手アパレル会社で感じた課題からスタートアップに挑戦

TOPLOGの代表取締役の亀山隆広氏は、大手アパレル会社の立ち上げに関わり、同社の取締役を務めた人物だ。亀山氏は、ファッションブランドがファッション誌やウェブメディアへのプロモーションを行おうとしても、思うような費用対効果は得られづらいと話す。ユーザー自身がコーディネートを投稿して楽しむWEARiQONなどのアプリ、あるいは女性向けに多様な記事をキュレーションするMERYなどのメディアはあるが、ブランドの世界観を崩さずにウェブ上でプロモーショーンできる場所はほとんどないと前職で感じたことがTOPLOGを創業するきっかけになったという。TOPLOGではその課題を解決し、ユーザーにとってもファッション誌と遜色ないクオリティーでファッション情報を分かりやすく伝えることに重点を置いたメディアを目指すという。

TOPLOGは2014年10月に設立し、2016年2月に最初の資金調達でジャフコから2億円を調達している。これで累計調達額は4億円となった。前回の資金調達では、アプリの垂直立ち上げを狙ったプロモーションを重点に置いたが、今回はユーザーのデータベースも増えたことで、ユーザーが望むアプリの機能やコンテンツ開発に注力し、オーガニックな成長を目指す計画だという。TOPLOGは現在12名のチームで、その半数は開発人員だそうだ。ファッションに特化したコンテンツ制作を担うアパレルの専門家と開発を行うIT部門には、それぞれの専門性が違うためにコミュニケーション面での課題もあるが、そこを上手く融合していけるように注力していくと亀山氏は話す。TOPLOGは来年3月までに100万ダウンロードを目標としているという。アプリで購買意欲の高い層にリーチし、アパレル業界全体を元気にしていきたいと亀山氏は話す。

アプリはiOSAndroidの両方で展開している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。