フォルクスワーゲンとボッシュが合弁会社を設立、欧州でのバッテリー生産を推進

Volkswagen(VW、フォルクスワーゲン)とBosch(ボッシュ)は、欧州にバッテリー機器のソリューションを提供するための合弁事業の検討に合意した。VWによれば、両社はバッテリーセルおよびバッテリーシステムメーカー向けに、統合されたバッテリー生産システムを提供することや、オンサイトでの生産力強化ならびにメンテナンスサポートを目指しているという。

この合弁事業は、VWが2030年までに6つのセル工場を建設するという目標を達成するのに役立つと期待されているが、欧州各地の他の工場にもサービスを提供する予定だ。両社は、合弁事業への投資額を明らかにしていない。

各自動車メーカーは今後数年間で何百万台もの電気自動車を出荷するという、これまで以上に野心的な目標を設定しており、パンデミック関連のサプライチェーン問題でさらに問題となっている海外からのバッテリー供給への依存を減らし、自己完結性を高めることに取り組んでいる。2021年には、自動車メーカーとセルサプライヤーとの間で、メーカー近隣にバッテリーセル生産施設を建設する合弁事業が相次いだが、VWは2019年にNorthvolt(ノースボルト)と合弁事業を立ち上げ、ドイツのザルツギッターに最初の生産施設を建設する計画をすで進めていた。

VWの取締役でバッテリー計画を担当しているThomas Schmall(トーマス・シュモール)氏は「欧州には、今後数年のうちに世界のバッテリー基地になることができるユニークなチャンスがあります」と声明の中で述べている。「新しいギガファクトリーの設備を含む、バッテリー生産のあらゆる面での需要が強く高まっています。VolkswagenとBoschは、数十億ユーロ(数千億円)規模のこの新しい産業を、欧州で発展・確立させる機会を探っていきます」。

Volkswagenはまた、競合他社にサービスを提供することで収益の多様化を図るという最近増えつつある自動車メーカーたちの流れにも乗っている。米国時間1月18日には、Ford(フォード)とADTが合弁事業を発表し、車種を問わず取り付け可能な盗難防止用の車両監視システムを提供することになった。

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シュモール氏は「バッテリー製造のバリューチェーンの垂直統合に積極的に取り組むことで、新たな利益を生み出すことができるでしょう」と付け加えた。「欧州製のe-mobility(電気モビリティ)のために、完全にローカライズされた欧州のサプライチェーンを確立することは、ビジネス史の中でも稀な機会となるでしょう」。

European Battery Alliance(欧州バッテリー連盟)は、韓国や中国の市場支配への依存を減らすためには、2020年代末までに世界の電池の3分の1を欧州で生産する必要があるとしているものの、現時点では、欧州の900GWh(ギガワット時)以下の生産能力を持つ電池工場は、2029年時点で世界の生産量の16%を占めるにとどまるとされている。

Tesla(テスラ)は、ベルリンのModel Y(モデルY)用の300ヘクタールの工場敷地の隣に、50GWhの生産能力を持つバッテリープラントを建設する計画を立てているが、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOが2021年11月か12月に生産を開始すると以前から約束していたにもかかわらず、工場とプラントの両方が、生産開始のために地域当局の承認を待っている状態だ。

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VWが計画しているザルツギッターのプラントの生産量は40GWhとなる予定だが、もしVWが生産の増強に成功し、合計6つの工場を建設できれば、合計で240GWhの生産量になるはずだ。

画像クレジット:The Volkswagen Group

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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