新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大で人工呼吸器が不足している事態を受け、Ford(フォード)、GM(ゼネラルモーターズ)、そしてTesla(テスラ)による人工呼吸器製造にゴーサインが出た。トランプ大統領は22日、いかに有能かを示せと3社の経営トップに課題を突きつける文言でツイートを締めくくった。
新型コロナウイルスは呼吸困難を引き起こす病気であり、人工呼吸器は新型コロナウイルスの感染で入院する患者にとって必要不可欠な医療機器だ。新型コロナウイルスは肺へのダメージを引き起こし、急性呼吸窮迫症候群や肺炎につながりえる。臨床的に有効性が確認された治療法はまだなく、患者の呼吸や病気との闘いは人工呼吸器に頼っている。米国には16万台の人工呼吸器があり、これとは別に国家戦略備品として1万2700台があるとニューヨークタイムズ紙は報じた。
今回の動きは、ニューヨーク州のAndrew Cuomo(アンドリュー・クオモ)知事の嘆願を受けてのものだ。クオモ知事は22日朝、医療機器の確保を各州に任せるのではなく国が行うよう、連邦政府に嘆願した。国防生産法に基づいて企業に医療機器を製造させるようトランプ大統領に求める自治体当局は増えていて、クオモ知事はそのうちの1人だ。
国の管理がないために、州同士が医療機器を巡って争っているとクオモ知事は述べた。価格は上昇していて、その結果、ヘルスケアシステムをさらに逼迫させることになる。
トランプ大統領はすでに国防生産法を発動させているが、実際に使われてきたのかは不明だ。トランプ大統領は先週、記者会見で発動させていると述べたが、連邦緊急事態管理庁のトップ、Peter Gaynor(ピーター・ゲイナー)氏は3月22日記者に対し、大統領はいかなる企業にもまだ緊急補給品をつくるよう命じていないと話した。
いくつかの自動車メーカーは先週、人工呼吸器の製造が可能かどうかを調査していると話していた。米国では新型コロナウイルスが広がり、人工呼吸器のような医療機器を必要する病院が増えている。こうした事態を受け、GMは3月20日、人工呼吸器の増産サポートに向けVentec Life Systemsとともに取り組んでいると明らかにした。この提携では、新型コロナに対応する企業を調整するStopTheSpread.orgがひと役買った。
フォードは22日のTechCrunchへの電子メールで、人工呼吸器や他の医療機器の生産の可能性など、行政をサポートする用意はできていると語った。「米国や英国の政府と事前協議を行い、対応できるか調べている」と同社の広報担当のRachel McCleery(レイチェル・マッククルーリー)氏は述べた。「危機を前に国を支えるために力を合わせることが不可欠だ。そうすることでこれまでにも増して強くなる」。
SpaceX(スペースX)とTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk (イーロン・マスク)氏は3月21日、人工呼吸器のことでMedtronicと協議を持ったとツイートした。Medtronicはその後、協議の事実をTwitterで認めた。マスク氏はこれより前に、SpaceXとTeslaが人工呼吸器の製造に取り組むとツイートしていたが、詳細は示していなかった。この件についてテスラにコメントを求めることはできなかった。
画像クレジット: The Washington Post / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)