フォードがロボティクス研究でミシガン大学に研究者やエンジニアら100人を配置

Ford Motor Company(フォード・モーター)はミシガン大学アナーバーキャンパスのロボティクスとモビリティのための7500万ドル(約81億7400万円)の新施設に研究者とエンジニア100人を配置する。

Fordと同大学のコラボはこれが初めてではない。Fordはミシガン大学にとって最大の法人献金者であり、両者は以前もUM Ford Center for Autonomous Vehicles(ミシガン大学自動運転車Fordセンター)の開所でタッグを組んだ。しかし、Fordが大学のキャンパスにチームを配置するのは今回が初めてだ。

FordはTechCrunchに対し、配置はインキュベーターではなく「グローバル研究と高度エンジニアリングネットワークの拡張」だと明確に述べている。

この人員配置によりFordは、広さ13万4000平方フィート(約1万2500平方メートル)の4階建てビルの最上階から、ロボティクス研究と学生へアクセスできるようになる。その逆も然りだ。Fordはまた、自動運転車をテストするための4つのハイベイガレージと歩行ロボットラボを含む、他のビルにある研究ラボへもアクセスできるようになる。

周辺では同社は実世界の環境で車両をテストするためにメインストリートを模したMcityテスト施設で車両を走行させることもできる。同社は2015年にMcityで自動運転車をテストした初の自動車メーカーだった。

Fordの研究エリアは自動運転テクノロジーに限定されない。

「ロボティクス全域は車両を超えたアプリケーションを持ち、当社はそれをはっきりと認識しています」とFordのCTOであるKen Washington(ケン・ワシントン)氏は米国時間3月16日に述べた。「当社は車両に応用するためにロボティクスの能力を創造するとかなり前に決定しましたが、製造を含め、当社の商用車両でどのようにマーケットに登場するか再考し、幅広い潜在的応用や航空ロボットのような他の可能性のあるソリューションも持つことにしました」。

2020年1月にAgility Roboticsへの最初の注文がFordから入った。人間の仕事を行うためにセンサーを搭載している人型ロボットDigitだ。Fordは新しいビルで、知らない道でも移動できるBoston Dynamicsの有名な四つ足ロボットSpotとともにDigitを実験する。同社はこれらのロボットのモデルの実験をミシガン大学の新しい施設で行う。

関連記事:Agilityが業務用二足歩行ロボットDigitを市場投入、最初の顧客はフォード

一般的なロボティクスとエンジニアリングの研究はMario Santillo(マリオ・サンティージョ)氏が率い、自動運転車部門は同社の自動運転車研究のテクニカルマネジャーTony Lockwood(トニー・ロックウッド)氏が率いる。

声明によると、提携の一環として同社とミシガン大学は「教育を十分に受けられていない学生にさらに多くの機会を提供するために」包括的カリキュラムを作る。新しいロボティクス研究所はこの分野をさらに公正なものにすることを目的としている、と同大学のエンジニアリング部長Alec Gallimore(アレック・ガリモア)氏は述べた。その目的のために、ジョージア州アトランタにある歴史的黒人学校の学生はロボティクス101コースを遠隔から受講できる。この授業は上級コースを提供していなかったハイスクールの学生のために「条件を平等にすべく」微積分を必須としていない。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Ford自動運転ミシガン大学

画像クレジット:David Becker / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。