【日本版編集部注:Steve Feinerは、東南アジアのオンライン生花配達サービス、A Better Floristのファウンダー・CEO。】
先週Instagramはニュースフィードのアルゴリズムを変更した。投稿は時間順には表示されず、「ユーザーの興味のあるコンテンツ、投稿者との関係、および記事の適時性に基づいて」並び替えられるようになった。
これがどういう意味かといえば、何をいつ見せるかは、Instagramが選ぶ ー 事実上Facebookのニュースフィードと同じになった。
この変更は、ユーザーのフィードを最適化する方法とされているが、実際には広告コンテンツを制御する力をInstagramに与えている。「平均して、ユーザーはInstragramフィードで約70%の記事を見逃している」とInstagramの共同ファウンダー・CEO、Kevin Systromは言う。「重要なのは、ユーザーが見る30%をできる限り最良の30%にすることだ」。確かにそれは真実だが、間違えてはいけない、Instagramはこれを収益化のために行おうとしている。
Facebookが気にする理由
Instagramの親会社であるFacebookは先日、Q4の売り上げ58億ドルを発表し、前年比51%の成長だった。Facebookの伸び率は40%以上が続いているが、この成長率を維持することは並大抵ではない。
Facebookの過去の成長率を当てはめると、次の四半期には20億ドル、1年後の四半期には30億ドルを上乗せする必要がある。
最近の決算会見でFacebookのCFOは、「Facebookの中核機能が売り上げを押し上げている」と語った。この成長は、ユーザー当たり平均売り上げの上昇によるものであり、ユーザー数の成長ではない。この成長を、Facebook本体で維持していけるのだろうか?
Facebookは来年の現四半期に、累積30億ドル以上成長する必要がある。ユーザー数の成長率を、過去の実績である13%とすると、ユーザー当たり平均売り上げは33%伸びなくてはならない。Facebookが2012年Q1以来、すでに、途上国で4倍、米国・カナダで5倍以上成長していることを踏まえると、Facebookにそれは可能だろうか?果たしてFacebookは、ユーザー当たり平均売り上げを、これも飽和状態になるまでにどこまで伸ばすことができるのだろうか?
そこで、Instargramのような新しい分野での収益化が重要になってくる。eMarketerによると、Instagramの売り上げは2015年に6億ドルに達し、2016年には149%成長すると予測されている。これがユーザー数の伸びによるものでないことは明らかだ。149%のユーザー成長は、来年だけで6億人の新規ユーザーに相当する。
ブランドへの影響
ここにInstagramが関わってくる。過去数年間、何千というブランドがInstagramに参入した。そこが最も消費者を引きつけるソーシャルメディアと気づいたためだ。Instagramが収益化を始めると何が起こるか?最も摩擦の少ない道はFacebookと同じ道をたどり、オーガニックなリーチを制限することだ ー これは以前Facebookで見てきたストーリーだ。
では、Instagramの素晴らしいコンテンツを作ることに多大な投資をしてきたブランドはどうなるのか?主要ブランドは、かつて無料だったメディアに金を払う予算を持っているが、ブログショップなどの小さな店舗はそう恵まれてはいない。
もしあなたのビジネスが、チャンネルとしてのInstagramに強く依存しているのなら、顧客獲得には完璧に編集した写真だけではなく、べらぼうな値札がついてくることを覚悟したほうがいい。