マネックス・ラボの投信管理支援アプリ、「オフライン取引9割以上」の市場をどう変える?

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株のオンライントレードは一般的だが、投資信託となるとどうだろうか。投資信託の純資産総額は国内で間もなく100兆円というところだが、その複雑さや商品の多さゆえ取り引きの9割以上はオフライン(店頭販売、営業経由)だという。オンラインでの取り引きが9割以上という株と比べるとその差は顕著だ。

マネックス証券が提供している「answer」は、投資信託の複雑さを解消し、個人の投資信託運用をサポートするアプリだ。開発は同社の企画開発部門「マネックス・ラボ」が行っている。

Answerはもともとマネックス証券の顧客向けに提供してきた資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」がベースになっているが、特別な知識がなくても使いやすいようデザインも刷新している。アプリは無料で、マネックス証券に口座がなくとも利用できる。また、マネックス證券で取り扱わない商品(銘柄)も取り扱う。

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現在のポートフォリオを入力し、投資スタイル(安定型〜積極型)を設定するだけで、金融工学モデルに基づき次に買うべき商品をおよそ5700もの銘柄から提案する仕組みだ。iPhone版は2014年1月より提供されているが、6月4日にはAndroid版をリリース。iOS版はApple Watchにも対応した。

マネックス・ラボでは、このアプリでのマネタイズはまだ考えていないという。冒頭にあったように、まずは投資信託のオンライン取引を増やすことが先決でだという。「(投資信託の)オンラインのボリュームが増えれば、オンライントレードで優位性を持つ同社にとって収益につながる」(マネックス・ラボ室長の飯田敦氏)

プロモーションで苦戦しているといい、ダウンロード数は伸び悩んでいる。その一方でユーザーの利用頻度は高く、手応えを感じているそうだ。今後は要望の多いウェブ版の作成や、より具体的な提案システムの導入を検討しているとのこと。更に将来的にはanswerの評価エンジンをプラットフォームとして展開し、営業マン向けツールの販売や他社金融機関への提供も検討中だそうだ。

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TechCrunch Japan

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