FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは若い世代にとってのオプラ・ウィンフリーになりつつある。ザッカーバーグは、恒例の「今年の挑戦」のアイディアをFacebookで募集した〔過去の挑戦の中には「自分で殺した動物の肉以外は食べない」というものもあった〕。その結果、ザックは「ブッククラブを始める」というアイディアを採用した。さすがにザックの影響力はすさまじく、最初に選ばれた本、 The End of Power〔権力の終わり〕のペーパーバックはAmazonで即座に売り切れてしまった。
指導者と個人の間の権力の配分を考察したこの本はすでに以前から高い評価を受けている。フィナンシャルタイムズの2014年のベスト・ブックに選ばれているし、アリアナ・ハフィントンもAmazonで推薦している。しかしザッカーバーグが推薦するまで売り切れることはなかった。
それに版元のバーンズ&ノーブルからも入手できないようだ。古本ならBarnes and Noble Marketplaceで売りに出ているかもしれない。 ハードカーバー版はAmazonマーケットプレイスにかなり出ている。もちろんKindle版は売り切れていない。
ザックは自身のFacebookページで、さまざまな挑戦のアイディアを提供した5万人のFacebookユーザーに感謝し、「良い本を読む」というアイディアが一番多かったとして次のようにと 述べた。「2015年の挑戦は『2週間ごとに1冊新しい本を読む』ことに決めた。異なる文化、信念、歴史、テクノロジーを学ぶことに主眼を置きたい」。
ザックはA Year of BooksというFacebookグループを作った。すでに10万人以上が「いいね!」を押してフォローしている。
オプラ・ウィンフリーは数年前にOprah’s Book Club 2.0というデジタル・ブッククラブをオープンしており、クラブの公式Twitterアカウントには13万8000人のフォロワーがいる。ただしFacebook上には公式ページはない。しかしオプラには自分のFacebookページに1000万人以上のファンがおり、デジタル雑誌のO, The Oprah Magazineのページには66万人のファンがいる。またOWN, the Oprah Networkのページには300万人のファンがいる。しかし、オプラならこれぐらいは当然かもしれない。
しかしザッカーバーグ自身のFacebookページには2300万人のファンがおり、これはオプラのファンの2倍以上だ。しかしこれもザッカーバーグだから当たり前なのだろう。
オプラは出版社にとってある種のゴッドマザーだ。「オプラ効果」と呼ばれるオプラの推薦は無名の本を100万部単位の一大ベストセラーに変える。Nielsenの調査によれば、Uwem Akpanの Say You’re One of Themはオプラの推薦で売れ行きが一挙に8.5倍になったという。
しかしザックもベストセラー・メーカーとして十分にオプラに匹敵しそうだ。出版社はオプラ効果を十分に承知しているので、推薦を受けた本はすぐに大増刷する。そこで最新の推薦書、Sue Monk KiddのThe Invention of WingsはAmazonでもBarnes&Nobleでも品切れになっていない。今年、出版社はFacebookのファウンダーがの本を推薦するか注意している必要がある。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)