Kandji(カンジ)は2019年10月に創業したモバイル機器管理(MDM)のスタートアップだ。つまり2020年始めにパンデミックが襲ったとき、まさに会社のアーリーステージを構築しようとしていたことになる。しかし、リモートによるデバイス管理を手助けする会社はこの環境下で需要が高まり、米国時間10月28日、2100万ドル(約22億円)のシリーズAラウンドを完了したことを発表した。
Greycroftがラウンドをリードし、新たにOkta VenturesとB Capital Groupと、既存投資家のFirst Round Capitalが参加した。今回の投資によって総調達額は2840万ドル(約30億円)になったと同社はいう。
Kandjiが作っているのは、高度なゼロタッチデバイス管理ソリューションで、大企業が大量のApple(アップル)デバイスを管理し、特定のルールに沿って使わせるのを支援する。CEO・共同ファウンダーのAdam Pettit(アダム・ペティット)氏は2019年シード資金を獲得したとき次のようにTechCrunchに語っている(未訳記事)。
私たちがパラメータと呼んでいるワンクリックのポリシーフレームワークを200種類近く持っている製品は他にありません。企業はコンプライアンスフレームワークを使って監視することができ、特別なコンプライアンスを必要としない企業のためのテンプレートも用意しています。
Okta Venturesの企業開発担当SVPであるMonty Gray(モンティ・グレイ)氏は、Oktaが投資するのはこのアプローチが会社のミッションの価値ある拡張だと考えるからだと語った。
「Kandjiのデバイス管理を使うと、アップル機器の管理者にとって最もよくある複雑な作業を効率化することで分散型労働が可能になり、迅速、安全に立ち上げることができます」とグレイ氏は声明で語った。
会社は順調のようだ。2019年の設立以来、数百社の有料顧客を獲得し、社員も当初の10名から現在の40名まで増えた。ペティット氏は、次の1年でこの数字を3倍にする計画だと述べている。会社の運営にあたり、多様な候補の中から採用することが重要な目標だと同氏は語った。
「従来と変わらない人だけを見るのではなく、さまざまな候補者に目を向ける方法はいろいろあります。採用過程で偏見をなくす方法は存在するのです。繰り返しますが、私たちはこのことを絶対的に重要だと考えているので、今後数年のうちに本当の多様化した会社を作れることを楽しみにしています」。
調達した資金は彼が従業員を確保するためだけでなく、製品の拡張にも役立つと彼は指摘する。2019年に同社は基本的なモバイルデバイス管理からコンプライアンス運用に拡張しており、今後の成長とともに新機能が加わるだろう。
「もし誰かが1年前の私たちの製品を見たら、いまとはまったく異なっているでしょう、だから私たちはエンタープライズ市場に参入することができました。そのことを大いに喜んでいます」と同氏は語った。
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タグ:Kandji、資金調達
画像クレジット:Kandji
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )