Facebookの「アプリファミリー」戦略は大成功を収めている。中にはInstagramをFacebookに組み込み、チャットをメインアプリに残すと予想する人もいたが、Instagramを独立のままにし、Messengerをコンパニオンアプリとして分離させたことで、これをどこでも使えるユーティリティーに留まらない、完全な中毒アプリにとして確立させた。
今日(米国時間4/27)の2016年Q1決算会見でMark Zuckerbergは、「今、世界中の人たちは一日平均50分以上、Facebook、InstagramおよびMessengerを使っている…これにWhatsAppは含まれていない」と語った。これは、世界でこのどれかのアプリを使う人たち全体の話であるとFacebookは私に念を押した。
去る2014年7月にZuckerbergは、アメリカのユーザーは1日に40分間同サービスを使っていると言ったが、今や範囲を全世界へと広げた上で数字は伸びている。広告収益企業にとって、自社アプリで費やされるその膨大な時間は、計り知れない数の広告ビューを意味する。しかしそのビジネスモデルは、Facebookが人々をできる限り長い時間滞在させようとする動機づけにもなる。
Facebookは果たしていつ、自ら作り上げたソーシャルネットワーク絶対勢力の影響力を真剣に考え始めるのか、それが問題だ。
ある程度の数のフィードを読み、写真をシェアし、メッセージを送ることによって人々はつながることができるが、その利用はいくばくかのドーパミン ― 永遠に満足することがなくても新しい情報を消費する興奮 ― を求める終りなき探究になることもある。デジタルで非同期なつながりに頼るのは簡単だ。外へ出かけるためにメンタルなエネルギーを消費しなければならなかったり、電話機を置いて人と顔をつき合わせて話すよりも。
そしてFacebookのOculus部門がバーチャルリアリティー用ヘッドセットを発売すれば、デジタル世界のために物質界を見捨てる問題も起きる。
Facebookは、ミームがいかにネットワークを駆け抜けるか、あるいはFacebookの利用がいかに人々の感情に影響を与えるかを研究するための専任部門を持っている。しかし、われわれの目玉から年間約60億ドルを稼ぐようになった今、「つながること」によって「自己」が失われる害を最小限にするために何ができるかを考える時だろう。
[画像提供:Facebook Addiction]
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)