企業がNoSQLデータベースを導入するためのプラットホームDataStaxが$45Mを調達, 狙いはApache Cassandraの育成

ハイパフォーマンスでスケーラブルなNoSQLデータベースのプラットホームを提供しているDataStax が、Scale Venture Partnersが率いるシリーズDのラウンドにより4500万ドルを調達した。Draper Fisher JurvetsonとNext World Capitalのほか、以前からの投資家たちもこのラウンドに参加した。

DataStaxはこの資金を、同社のデータベースディストリビューション(配布系)の基盤でもあるオープンソースのNoSQLデータベース実装Apache Cassandraの、さらなるグローバルな構築と、それへの投資に充てていく。今回の投資は同社のIPOを示唆するものでもあるが、CEOのBilly Bosworthによれば、どうなるかは市場の方向性次第だ、という。“IPOは弊社の既定路線だが、それは外部要因に依存するところも大きい。しかし内部的には、すでにその準備を開始している”。

今回の資金調達を機にDataStaxは、同社のデータベースソフトウェアのエンタプライズ向けとコミュニティエディションをバージョン3.1へアップデートし、データロード能力の強化と検索の高速化、およびユーザザビリティの改善を約束する。

2010年に創業されたDataStaxは、今ではApache Cassandraの主席コミッターで、その製品はパフォーマンスの高さとスケーラビリティで定評がある。しかしCassandraは比較的新しいため、それを独力で使えるところは少ない。しかし需要は増えているので、DataStaxはCassandraに大きな投資をしてコミュニティをより大きくし、プラットホームの用途も拡大したいと考えている。今回の投資ラウンドでもDataStaxはCassandraへの投資を続けて、ミートアップの開催数を増やすなどの取り組みを行う。とくに重視するのが、今後の拡張先と考えているアジアとラテンアメリカだ。

この投資のタイミングは、多くの企業が、関係データベースから今のデベロッパたちに人気のあるデータ集約的なNoSQL環境への移行を始めている時期と合致する。NoSQLデータベースは、関係データベースが一台の専用サーバの上で動いたのに対し、コンピューティングの多くがマルチテナントのクラウド上で行われる新しい時代に向いている。その市場はオープン性が高くて、IBMも、もっとも人気の高いNoSQLデータベース技術と思われる10GenMongoDBへと標準化している。〔関連記事。〕

一方、データベース市場の新しいアイデンティティの模索は続いている。NoSQLはスタートアップたちの寵児だが、まだ多くの企業は長年使い慣れた関係データベース上のトランザクションシステムを簡単には捨てきれない。でも、そういう従来的な企業も近頃はデータの生成量が多くなっているため、今後はDataStaxのお客さんが増える一方だ。またこの市場変動は、ハイブリッド型のデータベースにも機会を与えつつある。たとえばNoSQLのプロバイダであるFoundationDBは先週、NewSQL系のAkibanを買収して、NoSQLのスケーラブルなパフォーマンスに関係データベースのトランザクション指向の強みを妻合(めあ)わせようとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))