位置情報ベースのモバイル広告を展開するAdNearが1900万ドルを調達–国内からはグローバル・ブレインが出資

グローバル・ブレインは10月15日、同社が運営するグローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合を通じて、シンガポールおよびインド・バンガロールに拠点を置くAdNear Pte. Ltd.への出資を実施したと発表した。Adnearはスマートフォンの位置情報をベースとしたモバイル広告配信プラットフォームを提供している。

グローバル・ブレインの投資額は非開示。今回のラウンドでAdNearは、オーストラリア最大の通信事業者であるTelstraのほか、既存株主のSequoia Capital、Canaan Partnersからも資金を調達。その総額は1900万ドルとなっている。日本ではあまり知られていないAdNearだが、同社は2012年にインドでスタート。同年にはSequoia Capital とCanaan Partnersから630万ドルの資金を調達している。

同社が手がけるのは、スマートフォンの位置情報をベースとしたモバイル広告配信プラットフォーム。スマートフォンの位置情報をもとにユーザーの職業や年収、趣味・趣向などを推定し、特定の属性に限定して広告を配信したり、ジオフェンスを用いた広告配信(地図上に仮想的な境界線を設定して、そのエリア内に入ったユーザーに対して広告を配信する)をしたりしている。

Adnearの発表によると、同社では現在5億3000万人のユーザープロファイルを保有しているそうだ。特定の時間毎に位置情報を取得することでユーザーの属性を推定するのが特徴で、すごく大ざっぱに言えば、例えば朝は住宅地にいて、平日昼間は大学のエリアにいる、週末には住宅地や都心部にいるようなユーザーであれば「週末は都心部で遊ぶこともある大学生」だと判断するというような仕組みだそうで、20日もあればかなり精度の高いプロファイルがつくられるのだそうだ。

事業を展開するのはアジア太平洋地域。これまでにP&GやAudi、Unilever、BMW、Vodafoneなどのグローバル企業や、トヨタ自動車、ソニーなどの日本企業がクライアントになっているという。グローバル・ブレインでは今後、AdNearの日本進出支援も進めるとしている。


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。