数年前、Uberは問題を抱えていた。何百万人ものユーザーと何万人ものドライバーが世界中に散らばっている急成長中のモビリティ・スタートアップであった同社は、配車されたドライバーがどこから来るのか、目的地に到着するためにどこへ行こうとしているのか、より正確な地図をユーザーに表示したいと考えていた。課題は、地理空間データセットは容易にペタバイトのレベルに達することで、そのようなデータをどのように伝送し、可視化するかということだった。特に携帯電話上で。
「私たちはこの巨大な惑星サイズのデータセットを扱う仕事を任されました」と、Sina Kashuk(シーナ・カシュク)氏はUberのデータ可視化チームの目的について説明してくれた。「もし費用が問題でなければ、最高のパフォーマンスを発揮するためにはこれをどう構築するだろう?」それが、エンジニアとデータサイエンティストの4人組が直面していた解決すべき問題だった。カシュク氏、Shan He(シャン・ヘー)氏、Isaac Brodsky(アイザック・ブロツキー)氏、そしてIb Green(アイビー・グリーン)氏の4人は、合わせると約16年をUberで過ごし、彼らとUberのチームメイトたちは、現在のUberの広範な地理空間データ可視化システムを構築した。ヘー氏、ブロツキー氏、グリーン氏は2014年と2015年頃にUberに入社し、カシュク氏は2017年後半に入社したという。
ありがたいことに、彼らが開発したコードはUberアプリの中に閉じ込められたわけではなかった。彼らのエンジニアリングのコア要素は、2つのライブラリにオープンソース化されている。Kepler.glは地理空間データセットを取得して可視化できるWebアプリケーションで、
Deck.glは、地理空間データセットを処理して可視化する準備をするための拡張可能なアプリケーションフレームワークを提供する。カシュク氏によると、グリーン氏はDeck.glの開発リーダーの一人であり、1年後にはヘー氏がDeck.glをベースにKepler.glを開発したという。どちらのライブラリも、GitHubとUberのVisualizationチームを通じて活発な開発が続けられている。
最終的に4人は、オープンソースプロジェクトへの関心の高さから、これらのライブラリ上にあるサービスを他のビジネスにも提供できることに気付いた。「私たちが気づいたのは、(これらのライブラリは)すべて成熟しており、市場に出す準備ができているということと、Uberでの利用以外にも機会があるということです。そこで、これらの技術を次のレベルに引き上げることができると考えました」とカシュク氏は語った。4人はUberを離れ、最終的には2019年後半にUnfolded.aiを作るために団結した。
このスタートアップの主要製品は「Unfolded Studio」と呼ばれるもので、データ管理やサーバー通信などのコンポーネントを扱うKepler.gl(それ自体はフロントエンドライブラリに過ぎない)の上に構築されたアプリケーションのBaaSとして機能する。具体的には、異なる地理空間データセットを一つにまとめ、それらすべてが一つの統一されたビューで相互作用できるように設計されている。
チームは当初、Google Earthを含むいくつかのコンサルティングプロジェクトで運営資金を調達したが、最近になって、チームとその野望をさらに拡大するためにシードラウンドを調達した。カシュク氏によると、Unfoldedはこれまでに600万ドル(約6億2000万円)以上の資金を調達しており、先週、S28 CapitalのShvet Jain(シュベット・ジェイン)氏が主導し、Fontinalis Venturesを含む他の投資家からの参加を得てシードラウンドを終了したという。元LiveRampのCEOで現SafeGraphのCEOを務めるAuren Hoffman(オーレン・ホフマン)氏が最初の個人投資家となり、最初の機関投資家はIA Venturesだった。
Unfoldedプラットフォームの初期の顧客の中には、農作物や家畜を持続可能な形で栽培・飼養する農家を支援するIndigo Agricultureのような、アグリテック分野の企業も含まれている。Unfoldedは、位置情報とビジネスが交差する多くの市場に可能性を見出しているが、今のところは、プラットフォームを構築し、より多くの顧客にサービスを提供できるよう準備を進めている。
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カテゴリー:モビリティ
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(翻訳:Nakazato)