テスラが同社オートパイロットのライセンス供与に意欲、他メーカーと予備交渉をすでに開始

Tesla(テスラ)は、高度な自動運転技術である「オートパイロット」や、自律運転技術の改善のために自社開発したニューラルネットワークのトレーニングシステムを含むソフトウェアのライセンシングに意欲を見せている。TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、米国時間1月27日に開かれた第4四半期収支報告会でそうした考えを示した。その上、同社はすでに「オートパイロットのライセンス供与について他のOEMと予備的交渉を行った」事実も公表している。

2020年末、同社はオートパイロットのいわゆる「完全自動運転(FSD)」バージョンのベータ版の展開を開始している。

通常版のオートパイロットは、基本的にはハイウェイでの走行を主眼とした高度なクルーズコントロールが使える高度運転支援(ADAS)機能の一般リリース版に組み込まれている。今回の収支報告会でマスク氏は、もしライセンシングの方向性が決まった場合には、同社のFSD機能を、その契約が成立する前に提供したい考えを示した。

マスク氏は、Teslaの「哲学は決して庭(全体)を壁で囲うようなものではない」と訴え、同社は他の自動車メーカーにもSupercharger(スーパーチャージャー)ネットワークと自律性ソフトウェアを使えるようにする計画があると強調した。事実、彼は会社として自社の自律運転技術を「他の自動車会社」に「ライセンスすることをこの上なく喜んでいる」と述べている。

Teslaの技術が標準的な人間のドライバーを大きく上回る確実な信頼性を実証するためには、超えなければならない決定的なハードルがある。それは、ニューラルネットークの仕事をクルマの中に移すことだ。そして、そこへ知覚エンジンにパワーを与える分析結果を提供するには、それらを映像化する必要がある。これは単一のカメラと単一のフレームでトレーニングされたニューラルネットワークのニューラルネットをベースにしたシステム全体のフルスタックの移行だ。

そのために、Teslaは映像ラベリング用のソフトウェアを開発した。それは「ラベリングの効率に大きな影響を与える」ものであり、最終的にはラベリングを自動化する目標がある。マスク氏は(自社の業績を控えめに語るような人物ではないと忠告しておくが)、「それが世界で最も優れた桁違いに高性能なニューラルネットワーク・トレーニング・コンピューター」だと信じていると主張する。さらに「潜在的にはサービスとして提供できるものでもある」と言い加えている。

膨大な量の映像データを使ったトレーニングにより、Teslaはそのソフトウェアの信頼性を人間のドライバーを100%とした場合に200%に向上させ、最終的には「標準的な人間よりも2000%」にまで高めるとマスク氏はいう。だがまたそこでも、この技術的成果を自社の中に封印しておきたくはないと訴えていた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla自動運転

画像クレジット:Christopher Goodney/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)