副業プラットフォーム「Kasooku」が約1.9億円調達、マッチング件数は5000件突破

副業募集プラットフォーム「Kasooku(カソーク)」を運営するドゥーファは4月30日、複数の投資家を引受先とした第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資により総額で約1.9億円を調達したことを明らかにした。

本ラウンドではand factory元取締役の水谷亮氏と元執行役員の梅谷雄紀氏が立ち上げたスタートアップスタジオ・BeyondXがリード投資家を務め、その他に複数のエンジェル投資家が参加した。ドゥーファは2018年にLITALICO創業者の佐藤崇弘氏やVapes創業者の野口圭登氏などから約6000万円を調達済み。今回はそれに続くプレシリーズAラウンドとなる。本ラウンドの主な投資家は以下の通りだ。

  • BeyondX
  • 福嶋一郎氏
  • 那珂通雅氏
  • 森本千賀子氏
  • 坂本達夫氏
  • 佐藤崇弘氏(既存投資家)
  • 栄井トニー徹氏(既存投資家)
  • 野口圭登氏(既存投資家)

Kasookuは2019年5月にローンチされた副業マッチングプラットフォームだ。ローンチ時はセールスに特化する形でスタートしたが、現在はエンジニアやデザイナーなど対象職種を拡張し、総合的な副業プラットフォームへと進化している。

企業側がKasooku上に掲載した求人情報に対してユーザーが応募するというとてもシンプルな仕組みのサービスで、副業にフォーカスした「Wantedly」のようなものだとイメージするとわかりやすい。企業側は月額課金型の掲載プランか、無料から開始できる成果課金型のプラン(人材紹介に近いモデル)かを選んで利用する。副業の報酬にはオリジナルグッズなどのノベリティや自社サービスの利用特典など、金銭以外のものを設定することも可能だ。

ドゥーファ取締役社長の岡本葵氏によると職種が広がったことに伴いユーザー層も広がっているようで、副業ユーザーの登録数は7500人を突破し累計のマッチング件数も5000件を超えた。企業側ではスタートアップやITベンチャーに加えて、NHKや伊藤忠グループなど大手企業にも少しずつ利用されるようになってきたという。

「実際に1年近く運営してきた中でわかったのが『副業じゃないとカバーできない仕事』が生まれてきているということ。専門的なスキルや知識が必要なためアルバイトでは対応できないが、かといって正社員を何人も雇うのはコストが見合わなかったり採用が難しかったりする仕事を副業人材に任せたいというニーズが一定数ある」(岡本氏)

たとえば大企業における新規事業立ち上げプロジェクトがその一例とのこと。リーダーとしてプロジェクトを推進するのは社内のメンバーが担うとしても、最初から何人も専任のスタッフを抱えるのはコストの面などで難しい場合も多い。そこで実際に事業立ち上げ経験のある人材や関連する事業ドメインに詳しい人材に副業で参画してもらうわけだ。

今後Kasookuでは上述したような副業に適した仕事と、自分の培ってきた知見やスキルを活かして新しいチャレンジをしたい個人のマッチングを加速させていく計画。並行して、転職前のミスマッチをなくす手段として副業を活用する「副業転職」サービスや、企業内で使っているクラウドサービスの管理を簡単にする新事業などの準備も進めていく方針だ。

早ければ5月中旬頃にもローンチ予定だという副業転職サービスでは、ある程度転職意欲が高い個人に“転職前の副業”を案内する。実際に社内で働きながら認識をすり合わせたり、企業・個人間の相性を確かためたりすることで双方がリスクヘッジできるような仕組みだ。

「副業を始める際に最初から転職も視野に入れているという人と、あくまで自分のスキルを活かして新しいことをやりたいという考え方の人がいる。これまでKasookuを通じて副業から転職に至ったのも前者のケースがほとんど。(ミスマッチをなくす手段として)転職を考えている人に副業というルートを提案するサービスは社会的にも価値があると感じたので、Kasookuとは別で新サービスとして展開することを決めた」(岡本氏)

転職前に“おためし副業”ができるサービスについては先日「workhop」を紹介したばかり。一口に副業(複業)と言っても働く側、企業側の目的や動機はいくつかのパターンに分かれるので、今後はそれに合わせる形で副業関連のプラットフォームも細分化が進んでいくのかもしれない。

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TechCrunch Japan

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