テクノロジーによる緊急医療の改善に取り組む千葉大学発の医療スタートアップSmart119(スマートイチイチキュウ)は、医療機関用災害対策システム「Smart:DR」(スマートディーアール)をスマートフォンやタブレットに対応させた「Smart:DRアプリ」を開発。7月15日、Android版とiOS版を公開した。
Smart:DRは、災害やテロの発生時に「スタッフの安否確認」「集合要請」をスムーズに行い、医療機関や企業が被害を最小限に抑え、BCP(業務継続計画)策定による事業継続や復旧、傷病者の救命を支援するシステム。Smart119によると、同システムを導入した医療機関からの要望に応え、アプリ版を開発したという。
アプリ版では、受信したメッセージをより明瞭に把握できるほか、災害発生地点の表示や、健康状態の報告も従来より容易になっているそうだ。また、新型コロナウイルスのワクチン接種状況や副反応発生の有無などの情報収集も可能で、院内クラスター発生抑止や職員の健康管理に貢献するとしている。
主な特徴は次のとおり。
Smart:DRの特徴
- スタッフへの緊急連絡、安否確認
- 緊急時の集合状況をリアルタイムに把握でき、最適な人員配置を支援
- 医学的見地に基づいた健康管理情報を自動集計
- 返信は、ワンクリックで完了でき、ログイン不要
- 掲示板機能を有し、平時においても活用できる
アプリ版を使うことで「医療従事者が通常時からSmart:DRを積極的に活用し、緊急時に、スムーズに危機管理体制へ参加」することが期待されるとSmart119は話している。
2018年5月設立のSmart119は、「安心できる未来医療を創造する」を目指し、現役救急医が設立した千葉大学医学部発のスタートアップ企業。Smart:DRをはじめ、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」、緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用も行っている。また千葉県千葉市において、日本医療研究開発機構(AMED)の救急医療に関する研究開発事業を実施した。
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