2021年のパソコンの販売台数は、半導体不足によって全世界的に減少したと想定するのは容易だが、そんな月並みの考えは間違っているかもしれない。実は市場調査企業Canalysの調査報告によると、2021年のPCの出荷台数は前年比で15%伸び、2019年に比べると27%増加した。売れた総台数は3億4100万台というすごい量だ。
その調査報告によると、第4四半期は前年比1%増と微々たる伸びだが、しかしそれでも、2012年以降で最良の年だった。
CanalysのシニアアナリストIshan Dutt(イシャン・ダット)氏によると、半導体の供給不足にもかかわらずPCはすばらしい年を経験し、PCは私たちの仕事とレジャーの両方にしっかりと根を張った。そして世界の先進地域では、家庭に複数のPCがあることが標準的な姿になりつつあるという。
「供給の制約という暗雲が常に立ちこめている市場で、好調だった2020年を超える成果を達成したことは、過去12カ月のPCの需要がいかに大きなものであったかを示している。長期的に見た場合、2021年で最も重要な展開は、PCの普及率と使用率の大きな増加だ」。
2021年のPC市場におけるビッグ3は、Lenovo、HPそしてDellで、Appleは4位だった。下表にあるように、2021年は各社とも好成績だったが、前年比伸び率が最大だったのは28.3%を達成したApple(アップル)、次位が販売台数では5位のAcerの21.8%だった。
マーケットシェアでは、勝者は24.1%のLenovoと21.7%のHPとなる。3位のDellが17.4%、次いで4位のAppleは8.5%だった。
半導体不足は2022年も続くと予想され、また教育市場の飽和も囁かれているが、Canalysの予測では2022年もPCの売れ行きに関しては良い年だ。それどころか、CanalysのアナリストRushabh Doshi(ルシャブ・ドーシ)氏によると、供給問題がなければ2021年の市場はもっと大きかっただろうという。
「不足の一面には需要が大きかったということにもある。供給状況が良ければ間違いなくPC業界は、もっと強力に成長して大きくなっていただろう」とドーシ氏はいう。
彼は、今後も市場は拡大し続けると見ている。「自由な視点で見ると、より高性能で高速なPCに対する需要は、職場だけでなく家庭でもかつてないほど高まっています。過去2年間でPCの重要性が強化されたことで、成長は今後も続くと考えています」とドーシ氏は述べた。
画像クレジット:Irina Cheremisinova/Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)