DJIがアクションカメラ「DJI Action 2」を発表しました。
また、コンパクトで56gと軽量ながら、4K/120fpsのスローモーション、4K60fpsの動画が撮れるなど、アクションカメラとして高性能。ほかにも、手ブレ補正、防水対応、タイムラプス、AI編集(スマホアプリ)など様々な機能に対応しています。
価格は「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」が6万3800円。「DJI Action 2 Powerコンボ」が4万9500円。違いの詳細は後述します。
DJI Action 2は「2」とあるように、2019年5月に発売された「DJI OSMO Action」の後継機です。とはいえ、ぱっと見は後継機か分からないほどデザインや特徴が大きく変わりました。性能面に関しても、Osmo Actionよりセンサーが1/1.7型へ大きくなり、FOV(映像の画角)の種類が増えて、プロセッサーも強力に。
筆者は、先行で1週間ほど使わせてもらったので、この記事では使用感や実際の作例をお届けします。
小さくて軽いため毎日持ち歩きたくなるほど生活に馴染む
DJI Action 2は、日常使いや、旅行、激しいスポーツなど様々なシチュエーションで使えます。筆者は毎日持ち歩いて動画を撮っていましたが、小さくて軽いため毎日持ち歩きたくなるほど生活に馴染むんです。
そもそも単体の重量は56g。これは卵くらいの重さで、大きさも卵より小さいくらい。
タッチ対応のOLEDディスプレイがついた「フロントタッチ画面モジュール」を装着しても120gほどなので、iPhone 13よりも軽くなります。
このフロントタッチ画面モジュールは、タッチ対応の画面がついているだけでなく、USB Type-CポートやmicroSDカードスロット、バッテリーも内蔵。外でもクリアな音声で録音できる機能なども備えます。
DJI Action 2単体だと32GBの内蔵メモリーに保存となるため、筆者は基本的にはフロントタッチ画面モジュールとセットで使っていました。
行き着いたのがこちら。「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」付属の「磁気ボールジョイント アダプターマウント」のボールジョイントを持つスタイルです。
このスタイルだと、身軽でコンパクトで、スマホのようにパーカーやズボンのポケットにしまえるので、撮りたいときにすぐに撮影できます。
ボールジョイント部分がいい感じに握れるため、持ちにくいといったことも、不安定になることもありません。また、角度が欲しいときはボールジョイントで調整もできます。
このコンパクトさを気軽に持ち運べて、アクションカメラならではの防塵性・防水性・耐衝撃性(3つ揃っているのは本体のみ)があり、多少乱暴にも使えるため、生活に馴染んだというわけです。
こちらの動画は、1週間使い続けたうちの数日を切りとってVLOG(ブイログ)風に仕上げたもの。画質や音声はあえていじっていない動画です。幹線道路沿いを歩いているときも大声でしゃべったりはしていないですし、お店の中など暗所でも撮っていたり、船の上でも撮っていたりと、色んな場所で普通に撮っている様子をまとめました。
動画内では、スローモーション、ズーム、超広角などの機能も使用。また、DJIのスマホアプリ「DJI Mimo」でテンプレートを選ぶとAIが編集してくれる機能の作例も入れています。DJI Action 2で撮ったそのままを詰め込んでいるので、一度ご覧になってみてください(なお、4Kではなく2.7Kで撮っているのはスマホにデータ転送をするため。データが重いと転送に時間がかかるので)。
動画を撮ってみた感想は、「画質は綺麗で音声も思った以上に録れている」でした。画質は編集なしでも色が綺麗に出ていますし、船の上で風の音がうるさくないのは驚きです。船と鳥が一緒に進んでいるスローモーション部分もいい感じですし、VLOG的に使うのであればサイズ感も重量的にもぴったりだと思いました。
こちらはDJIのスマホアプリ「DJI Mimo」の画面。さきほど少し触れましたが、DJI MimoとDJI Action 2を接続してデータを転送すると、手軽に動画を編集できます。動画転送に時間はかかりますが、テンプレートを選んで動画を選ぶだけでAIがいい感じに編集してくれる機能をつかうと、2~3分ほどで動画が完成。
- データを転送する
- テンプレートを選ぶ
- 動画を選ぶ
- 書き出しする
以外はアプリ任せなので楽ですし、初心者でも簡単です。もちろん、切りとりたい場所を変えるなどアプリがつくってくれた動画を編集もできます。
▲アプリで作った動画
この動画は新宿御苑を散歩しているものですが、SNSにサッとアップするならこれくらいの長さと編集の感じが良いと思うんです。この動画くらいのものであれば、データ転送したあとは5分もあればアプリがしあげてくれますし、アプリ内に普通の動画編集ができる機能もあるので、パソコンで動画編集しない人にもDJI Action 2はおすすめできます。
良いところイマイチなところ
ここで改めて注目したいのが「コンパクトさ」です。DJI Action 2はアクセサリーを使って服に付ければ、ミラーレス一眼や一般的なアクションカメラの撮影のように片手を塞ぐことはありません。
強力なマグネットでくっついているので落ちる心配はないですし、56gと軽いので重さが気になることもないですし、両手が自由なので荷物を持っているときでも手軽に撮影できます。旅行時は荷物を持っていることも、ご当地名物を食べていることなども多いと思うので、両手があくのは地味にポイントです。
さらに、アクションカメラだからこそのアクセサリーの豊富さも魅力。1/4インチのねじ穴や、いわゆるGoPro マウント系のアクセサリーはサードパーティー製からも多く出ているので、自分好みのものを見つけやすいです。また、自転車・バイク向け、エクストリームスポーツ向けなど様々な用途に対応したアクセサリーなどもあります。
と、ここまで良いところばかりを挙げてきましたが、もちろんイケてないところもあります。
- 本体が小さいこともありバッテリーは長くは持たない
- 本体のみで使う場合、容量が32GBなのでこまめにバックアップをとらないとすぐデータがいっぱいになる
- 暗所撮影にはあまり向かない(アクションカメラ全体的に)
など。DJI Action 2の本体でのバッテリー駆動時間は70分。フロントタッチ画面モジュールに接続すると160分、電源モジュールに接続すると180分、というのが公式の情報です。ただし、これは1080p/30fpsでの動画撮影 省電力モードがオン)で測定された値なので、実際はもう少し短いです。
すぐ切れるみたいなことはないですが、お出かけして使おうと思うと小まめに充電したほうが良いです。
また、本体の容量が32GBしかありません。4K撮影を長時間するには向かないですし、microSDカードスロットはモジュールについているので、4K撮影時は基本的にモジュールを装着した運用となります。あと、これはアクションカメラ全体的にいえることですが、暗所撮影は得意ではないです。ここはある程度割り切るしかないかなと思います。
とはいえ、アルミ素材は手触りも良く、デザインはかっこよくて、小さくて軽くて、誰でも使える手軽さはマイナス面を十分に補う魅力です。
主な機能と価格
DJI Action 2は上記で挙げた撮影方法も含め・・・・・・
- 通常撮影
- スローモーション
- タイムラプス & ハイパーラプス
- QuickClip(10秒/15秒/30秒の短いショート撮影)
- ライブ配信(1080p/30fpsのライブ配信)
- UVC DJI(パソコンのウェブカメラとして使う機能)
上記のような撮影が可能です。手ブレ補正は電子式の「RockSteady機能」と、映像中の水平方向の安定性を確保できる安定化アルゴリズムの「HrizonSteady機能」を搭載。
イメージセンサーは 1/1.7インチで、f/2.8、超広角155度 FOV、最大120fpsの4K動画を撮影可能。32GBのストレージ内蔵し、単体で水深10mまでの防水性能も備えています。
価格は、DJI Action 2 Dual-Screenコンボが6万3800円。同コンボには、DJI Action 2 カメラユニット、フロントタッチ画面モジュール、磁気ストラップ、磁気ボールジョイント アダプターマウント、磁気アダプターマウントが同梱されています。
DJI Action 2 Powerコンボが4万9500円。同コンボには、DJI Action 2 カメラユニット、タッチ画面がついていない電源モジュール、磁気ストラップ、磁気アダプターマウントが同梱されています。
DJI Action 2は、動画初心者にも、気軽にSNSに動画をアップしたい人にも、もっと楽に動画編集をしたい人にも、VLOGを撮るような人にも、エクストリームスポーツをやっている人にもおすすめできる1台です。
ほぼ毎日持ち歩いてライフログカメラ的に使用しましたが、本当に生活に馴染みました。毎日持ち歩けるカメラを探していた方にはとくに検討して欲しいなと思います。
(砂流恵介/Keisuke Sunagare。Engadget日本版より転載)