営業がiPadで持ち歩く3D電子カタログをAR(拡張現実)化するAugment…大きな家具などに好適

拡張現実(augmented reality, AR)が登場してからしばらく経つが、Augmentはそれで稼ぐことをねらっている。同社が今日(米国時間8/30)リリースしたBusiness Catalogは、営業マン/ウーマンのためのツールだ。月額30ドルの使用料を払うと、いつも持ち歩いているカタログをすべてAR化してiPadに収め、客先の“現実”(部屋など)の中で似合う・似合わないなどを見てもらえる(下図)。このやり方はとくに、家具や雑貨、美術品などに向いているだろう。

協同ファウンダでCEOのJean-François Chianettaによれば、“うちより強いのは、お客の家で必ず実物を見せる営業だね”、という。“うちのプラットホームを使えば、(既製のアプリで作った)3Dモデルをほんの数分で拡張現実のオブジェクトとしてアップロードできる”。

今では3D化したカタログをスマートフォンやタブレットで持ち歩く営業は多い。実機にダウンロード済みだから、ネット接続は要らない。ただしそんなサービスも、無料アカウントでは限られた数の品物しか見せられないことが多いし、ネットに接続してないと使えないサービスもある。そんな3D電子カタログのAR化は、たぶん今回が初めてだ。

Business Catalogの有料バージョンはこれまでの2か月ベータをやっていて、3000人あまりのユーザが試用した。しかし今週からは、正規に有料制で一般公開される。

Augmentを利用するのはどんな企業か、と聞くと、その答えは単純明解だ。“今すでに3Dモデルを使っているところだね”、と協同ファウンダでCMOのMickaël Jordanは言う。“Augmentがサポートするファイルタイプは、3ds MaxとMayaとSketchUpの三種だ”。

Curioosは、デジタルアートの販売にAugmentを利用している。お客はそれ(ARオブジェクト)を見て、自分の部屋に合うサイズを注文したり、部屋のどこに飾るのがベストか、検討できる。

Augmentのビジネスには、別の側面もある。それは、ARを利用する広告キャンペーンだ。たとえばスーパーマーケットの一角で発売直後のDVDの宣伝販売をやるとすると、そこでARを使って、お客が人気スターと一緒に並んで立っている写真を撮ってあげられる。そのスターの像はもちろん、Augmentのアプリにより3D化されている。ふつう、こういうキャンペーンをやろうとすると広告代理店にでかい仕事を発注することになるが、Augmentを使えばとても簡単にできる。

このフランスのスタートアップは4月に、複数のエンジェルから30万ドル(22万ユーロ)を調達した。数か月後に、また新たな資金調達を予定している。今すでに黒字だから、VCたちにとっては魅力的な企業だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))