市場成長を受け電気自動車メーカーPolestarが初の外部資金調達ラウンドで約597億円調達

Volvo Car Group(ボルボカーグループ)の独立した電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)は、Chongqing Chengxing Equity Investment Fund Partnership、Zibo Financial Holding、Zibo Hightech Industrial Investmentがリードする初の外部資金調達ラウンドで5億5000万ドル(約597億円)を調達した。

韓国のグローバルコングロマリットSK Inc.や数多くの投資家も本ラウンドに参加している。

Polestarにとって初の外部資金調達ラウンドである一方で、これが今回限りではないことを同社のコメントはうかがわせている。同社は米国時間4月15日、電気自動車(EV)をより経済的なものにするテクノロジーの進化、そして成長しているEVマーケットが投資家を引きつけた、と述べた。同社は潜在的な追加の資金調達について世界の投資家と協議中だとも付け加えた。

「当社の新たな投資家は、世界の自動車産業が電動化へと向かう中での最高の成長ポテンシャル、そしてPolestarが確立された産業能力と技術力という魅力的な組み合わせを提供していることを認識しました」と同社CEOのThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラート)氏は声明で述べた。

新たな資金はPolestarの資金調達構造を多様化し「今後数年内に画期的な車を発売するのに先立ち、製品開発と技術力を加速させるのに使えるリソースを強化します」と同社は発表文で述べた。

PolestarはかつてVolvo Car傘下の高パフォーマンスのブランドだった。2017年に同社は、刺激的で乗るのが楽しい電気自動車の生産を目的とする電動パフォーマンスブランドに生まれ変わった。このニッチな部門は最初にTesla(テスラ)が切り開き、以降独占してきた。PolestarはVolvo Car Groupと中国のZhejiang Geely Holding(浙江吉利控股集団)が共同で所有している。Volvoは2010年にGeelyに買収された。

立ち上げ後、Polestarは中国に製造施設を開所し、グローバルの販売・流通オペレーションを構築し、Polestar 1と全電動のPolestar 2の2種を発表した。

同社はラインナップを増やしており、今週、Polestar 2のベース価格が安い2つのバージョンを製造すると発表している。

1つのバージョンはモーターが1つのタイプで、デュアルモーターモデルの78kWhバッテリーを搭載し、推定航続距離は260マイル(約418km)だ。そしてレンジが10%アップするPlus Packも提供する。シングルモーターのPolestar 2は2021年末に北米デビューする。

そしてデュアルモーターのバージョンもより簡素化する。デュアルモーターのPolestar 2の推定航続距離は240マイル(約386km)で、新しいPlus Packを加えればレンジはさらに伸びる。

同社はまた、2030年までに初のクライメート・ニュートラル(温室効果ガスの正味排出量がゼロ)のクルマを生産するという、さらに大きな野心も発表した。クライメート・ニュートラルとするのにカーボンオフセットを使うのではなく、新しいEVの製造方法を根本的に変更することで達成する、と同社は話した。ここには、材料の調達から製造に至るまでサプライチェーンの再考、そしてよりエネルギー効率のいい車両製造が含まれる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Polestar資金調達電気自動車

画像クレジット:Polestar

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。