Ginkgo Bioworksはポストンに拠点を置くバイオテックのスタートアップで、微生物からありとあらゆる種類の香料や調味料を作り出している。この度Ginko Bioworksは6億ベースの製造されたDNAを入手するため1億ドルの資金をシリーズCのファンディングで獲得した。Ginkgoによるとこれは「これまで購入された合成DNAとして最大の規模」だという。
同社はその何百万ベースもの遺伝コードを使って新しい領域に乗り出そうと計画している。例えば、「汎用の化学薬品、工業用酵素、保健医療」などの市場だ。
新たな資金は全て現金で、これでGinkgoがY Combinatorでローンチしてから2年足らずで得た資金の合計は1億5千4百万ドルにもなる。これはY Combinator発のスタートアップの中でもトップ10に入る額だ。
この新しい形態のバイオテック、つまり薬品製造がらみではないバイオテックは、2014年になって、DNA合成コストの劇的な低下に伴い俄然ヒートアップしてきた。GinkgoはY Combinatorが投資した最初のバイオテックスタートアップの内の一つで、今なお競合相手がほとんどいない。数少ない競合相手の中には、西海岸で似たような業務を行うZymergenがあり、微生物のDNAを操作し消費者向け材料を大量生産することを目標に、今日までに4500万ドルの資金を調達した。
このラウンドの資金はYCのContinuity Fund、Senator Investment Group、Cascade Investment、Baillie Gifford、 Viking Global Investors、Allen & Company LLCより調達した。Viking GlobalはシリーズBのリードインベスターでもあった。
Ginkgoは現在調味料、香水、食品産業のための商品を製造しているが、DARPAとも共同でプロバイオティックを製造しており、それはアメリカ兵が海外でお腹の調子を崩した時、整腸するためのものだ。しかし同社は昨年から他の産業分野への事業拡張を視野に入れ始めた。
Ginkgoは2015年の春に、1億ベースのDNAを購入し新しい製造分野に進出すると発表したが、それ以来その量を6億ベースに引き上げ、Twist BiosciencとGen9と業務提携し合成DNAの供給を受ける。Twistは少なくともその内の4億ベースを2017年の内に納入すると誓約している。
Ginkgoはさらに資金の一部をBioworks2を建てるのに使う予定だ。Bioworks2は7万平方フィートの広さを持つ新しい自動化された設備で、GinkgoでデザインされたDNAのプロトタイプをテストし新しい製品を創出する場所だ。その製品とは共同設立者のJason Kellyが言うところの「テックが見捨てたバーティカル製品」、例えば栄養や製薬業など。
「これらの産業はソフトウェアのように根本的に破壊的ではないのでとてつもなく大きなチャンスがあります」とKellyは言う。「生物をデザインすることがもっと上手く行き出せば、なんでも作れるようになります。そうすれば、これまでのテック産業が近づくことのできなかったセクターを崩せるのです」
Ginkgoは既にこれらの産業分野で多くの新しい製品を作っており、Kellyによれば、今回の資金は、Bioworks2が完成するのに伴い、Ginkgoがこれまでしてきたのと同様のことを今後も継続して行ってゆく上での助けとなるということだ。
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(翻訳:Tsubouchi)