新型コロナがサプライチェーンに影響を与えている場所を可視化する無料ツール

Assent Complianceは部品表(BOM)をアップロードすることで、あらゆる企業(顧客でなくてもOK)が新型コロナウイルス(COVID-19)がサプライチェーンに影響を与えている場所を地図上で確認できるツールを発表した。同社は、GEやロールスロイスなどの大手メーカーが、オンラインデータ交換を通じて複雑なサプライチェーンを管理することを支援するツールを開発していスタートアップだ。

オタワ拠点の同社の共同創業者であるMatt Whitteker(マット・ウィテカー)氏は、同社がサプライチェーンデータ管理に焦点を当てていると言う。すなわちWHOが発表する新型コロナウイルス流行地域の地図に基いて、データ駆動式サプライチェーンマップを作ることのできるデータとツールを保有しているということだ。こうしたことを行ったのは、自分の会社だけだと彼は考えている。

「サプライチェーンのデータを利用して、今回のパンデミックに適用したのは私たちだけです。そして、それは私たちのプラットフォームにとって本当にネイティブな仕掛けなのです。データはすべて手元に揃っています ― サプライヤーの位置データも持っています。よって、それをサードパーティのデータソース(WHOのデータなど)に適用し、そこから貴重なビジネスインテリジェンスを抽出するのです」と彼は言う。

もしツールを使いたい場合には、同社のウェブサイトにアクセスしてフォームに記入するだけだ。するとカスタマ担当社員が連絡してきて、データをプラットフォームにアップロードする手順について説明してくれる。ユーザーのデータがアップロードされると、サプライチェーンが混乱する可能性が最も高い世界の部分を示すマップが生成され、個別のデータに基づいてリスクのレベルが特定される。

同社は、現在プラットフォーム上で1000社の顧客と50万社のサプライヤーを相手にビジネスを行う活動の一環として、サプライチェーンデータを収集している。「企業が製品を製造するとき、彼らは一種のレシピのような、部品表(BOM)と呼ばれるものを持っています。そして企業が、基本的にすべての部品、コンポーネント、および購買品の全容を示す部品表と、それらの入手先ををアップロードすれば、それは基本的にその企業のサプライチェーンを表しています」とウィテカー氏は説明した。

企業が部品表をアップロードすると、Assentは企業がデータを交換するためのポータルを開く。ここには、税務申告書、調達証明書、またはメーカーが特定の部品の調達に際して法的・規制上のルールを遵守するために必要な、あらゆる種類の情報や書類が含まれている。

彼らは、今回の事態が、第二次世界大戦以来の世界に出現した、最大のサプライチェーンの危機になることを認識すると同時に、新型コロナウイルスのマップアプリケーションの構築の開始を決断した。構築には約1か月が必要だった。先週顧客に対してベータ版を公開し、最初の2時間でサインアップ数は350社に達した。今週、彼らはこのツールを、たとえ顧客でなくても一般ユーザーが無料で利用できるようにした。

ウィテカー氏によれば、同社は2016年に設立され、これまでに2億2000万ドル(約240億円)を調達してきた。

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画像クレジット: Mongkol Chuewong / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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