米国時間3月19日、人気の企業内チャットサービス、Slackは2月1日から3月18日までの47日間に7000件の有料ユーザーを獲得したと発表した。Slackが 前四半期に獲得した有料ユーザーは5000件だったからこれは驚きだ。
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により人々が自宅で仕事をすることを余儀なくされたため、リモートワークへの移行に役立つプロダクトはすべて需要が増加しているが、Slackも例外ではない。 TechCrunchではこの傾向に対し、ビジネスとしての成功は新規ユーザーのうちどれほどが有料契約を結んだかにかかっていると分析した。
SEC(証券取引委員会)に提出された書類によれば、Slackはこの点でも成功している。Slackの株価は現時点で19%もアップしており、上げ相場の中でも突出している(今日の取引終了後に終値をチェックして必要ならこの記事をアップデートする)。Slackは前回の四半期決算のガイダンスが控えめだったため株価は出遅れぎみだった。
直近の四半期(会計年度としては2020年度の第4四半期)に、Slackは5000件の有料契約を追加し、契約数は第3四半期末の10万5000から11万に増加した。その後の47日で、Slackは有料ユーザーを6.4%増加させた。つまり毎週1%弱増加したわけだ。
Microsoft(マイクロソフト)は今日、SlackのライバルとなるMicrosoft Teamsの1日あたりアクティブユーザー(DAU)が4400万あったことを発表している。これはもちろんSlackよりはるかに大きな数だ。SECへの新しい文書の提出はSlackが投資家に対して最近の利益をアピールするばかりでなく、MicrosoftのPR攻勢に反撃する意図も含まれていたかもしれない。
Teamsは3月11日から3月18日までに1200万をDAUを得ており、Slackと並んでこれのプロダクトに対して極めて大きな需要があることこが見てとれる。
Slackの努力
Slackのトラフィックは急増しており、今日判明したように、ビジネス利用も増えているが、同時に同社ではサービスそのものに対しても有用な追加を数多く実施している。
例えば、ユーザー体験をさらにスムーズにするため、シンプルなインターフェイスを発表している。同社はこれまで以上にサービスの価値が高まっていると感じているだろう。実際、世界のどこでも自宅から仕事をするというトレンドが拡大する中、Slackはユーザーはこのプラットフォームを常に重視していきたとしている。
リモートワークのブームにシステムが対応できるかどうかについては、Slackは自信を持っているようだ。 先週、接続障害が発生したが1日で解決できた(Microsoft Teamsも最近何回かダウンしている)。
Slackはリモートワークによる影響ついてメモを発表し、「社員がオフィスから離れて働くようになっても、コミュニケーションのインフラ対する要求は変わらない。ユーザーがオフィス、携帯ネットワーク、または自宅の固定改選から接続しているかどうかばシステムの負荷にまったく影響しない」と述べた。
しかしSlackのユースケースはオフィス以外にも拡大しつつある。Slackは企業コミュニケーションに理想的と考えられれてきたが、社会的隔離の強制により利用の仕方は多様化するだろう。起業家を支援する人々、大学の同窓グループ、オンラインでの講義の受講をさらに有効活用したい学生など、さまざまなグループがSlackを利用することになる。
今後予想されるトレンドを考えれば、Slackは単なる仕事の生産性向上ツールではなく、むしろバーチャルなコミュニティとして位置づけられることになりそうだ。.
画像:Drew Angerer / Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)