クラウドファンディング・プラットフォーム「CAMPFIRE」を運営する株式会社CAMPFIREは本日、第三者割当増資を実施し、合計で3億3000万円を調達したと発表した。
今回の資金調達に参加した投資家は以下の通りだ:D4V1号投資事業有限責任組合、GMOインターネット株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、East Ventures、株式会社iSGSインベストメントワークス、株式会社サンエイトインベストメント、株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社フリークアウト・ホールディングス、ほか個人投資家3名。
また今回の資金調達に伴い、お金のデザインを立ち上げた谷家衛氏が取締役会長に、フリークアウト・ホールディングス代表取締役の佐藤裕介氏が社外取締役に、富士山マガジンサービスCTOの神谷アントニオ氏が社外取締役に、データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーの原田博植氏が執行役員CIOに就任する。
支援金の総額は16億円
CAMPFIREがクラウドファンディング・プラットフォームを立ち上げたのは2014年6月のこと。その後、2016年2月に共同代表である家入一真氏が代表取締役に就任し、同時期にサービス手数料をそれまでの20%から5%にまで大幅に引き下げた。同社によれば、この手数料率は国内最安値の水準であり、これがCAMPFIREの特徴1つでもある。
実際、手数料率を引き下げた頃から掲載プロジェクトへの「支援金」が急速に伸びた。現在の支援金総額は16億円で、過去4年間の支援金総額を2016年の1年で上回るほどに急成長している。
レンディング事業への参入と、人工知能のR&D
今回調達した資金を利用して、CAMPFIREはレンディング事業への参入と、機械学習を中心とした人工知能の研究開発を行う。
レンディング事業への参入を決めた背景について代表取締役の家入一真氏は、「現状の購入型のビジネスモデルにとらわれないところにチャレンジしたかった。お金をよりなめらかに流通させることが目的」と語る。
もう1つの資金の使い道は、人工知能の研究開発だ。家入氏によれば、CAMPFIREはこれまでにも機械学習の研究開発を進めていたという。
具体的にはプロジェクトの審査にこのテクノロジーを利用しているようだ。家入氏は、「機械学習を利用して目視による審査を自動化することで、手数料を下げることができると考えた。これから参入するレンディングビジネスでは難しいとは思うが、これまでの購入型のクラウドファンディングでは審査をほぼ全自動化することも可能だと考えている」と話す。
機械学習の活用方法はもう1つある。それは、掲載するプロジェクトの「見た目」の改善だ。プロジェクトの支援金額はタイトル付け方や本文の構成によって大きく左右される。CAMPFIREはこれまでに同社に蓄積されたデータを分析し、支援を受けやすいタイトルの付け方やコンテンツの構成方法を提案していく。
国内におけるクラウドファンディングの市場規模は約480億円。CAMPFIREによれば、そのうちの8割が貸付型であり、今後は数千億円規模の成長が見込まれるという。CAMPFIREが次に狙う領域はここだ。