米サンフランシスコの路上で、カメラやVelodyne製LiDARらしき物体が突き出たリュックを背負って闊歩するアップル従業員らしき人物の姿がキャッチされました。この人物の明確な目的は不明ですが、リュックにはApple Mapsの文字が記されていることからMacRumorsは歩行者視点での地形やルートデータの収集を行っていると推測しています。
全方位カメラを背負って歩く人の姿を見て思い出すのは、Googleストリートビュー用写真を撮影するためのカメラ要員。最初は海外で、後に日本国内でも時折見かけるようになりました。この背負って歩くスタイルを活用することで、Googleストリートビューは、寺社仏閣の参道や車の立ち入れない細い道、建造物の内部などにまで提供範囲を大きく広げました。
アップルは、iOS 12 から自社製マップデータへの改修を順次開始しており、まず手始めに自動車でサンフランシスコ周辺のデータを作成して、データの更新を行っています。今回のリュックタイプの機材によるデータ取得は、おそらくは歩行者ルート表示のためと思われます。
ここでよく考えてみると、Googleマップの場合はストリートビューのデータ作成のために全方向カメラを使っていました。しかし、このアップルの作業員はLiDARを背負っています。
LiDARで取得した3Dの空間データをどう使うのかを想像してみると、もしかすると歩行者向けにAR表示される3Dマップを作ろうとしているのかも。もしそうだとしたら、たとえば非常に入り組んだ構造でダンジョンとも言われる東京や大阪の地下街なども、iOSの地図アプリで3表示され非常にわかりやすくナビゲートできるようになるかもしれません。
ただし、このリュックの機材で取得したデータがマップアプリに反映されるタイミングガいつ頃になるのかはまだわかりません。またいずれ日本でこうした機材を使用した地図データ取得が行われるのかもまだわかりません。iPhoneユーザーとしては、早くそのデータが地図アプリに反映されたところを確認してみたいものです。
Engadget 日本版からの転載。