今週は決算発表のラッシュだった。IT業界のメジャープレイヤーのほとんどが決算を発表し、その数字が株価を揺り動かした。まったくクレージーな週だった。
ここで判明したのは市場は変わらぬ主題として「成長性」を非常に重視するという点だ。成長性に陰りが見えると市場はネガティブに反応する。これはウォールストリートの投資家の場合特に顕著だ。会社が成熟に近づいているほど反応は激しくなる。Facebookはアナリストの予測を売上でも利益でも軽く上回り、さらに依然として財務でもユーザー数でも十分に成長余力があるることを示した。これと逆に、Appleの場合は成長していないことが明白になった。成長していないというより、正確にいえば縮小している.のだ。
そういう次第で、株価のアップダウンの激しい週だった。MicrosoftとAlphabetの決算も含めて結果を簡単にまとめておこう。
- Alphabet:4%ダウン。クリック単価(Googleのビジネスの核心)は引き続き減少中.
- Facebook: 6%アップ。アナリストの予測を大きく越える成績。ユーザーは16億5000万人へ
- Microsoft: 5%ダウン。 決算はアナリスト予測に届かず。Surface売上は好調だがスマートフォンは大きくダウン
- LinkedIn: 5%アップ。業績ほぼ回復。前期は40%ダウンの壊滅的決算.
- Amazon: 6%アップ。AWSの強力な成長明らかに.
- eBay:ほぼ変わらず。決算の成績はよく、一瞬だけ株価はアップ
- Twitter::16%ダウン。決算は予測にはるかに届かず
そして大物だ。
Apple:11%のダウン。決算は完全な期待はずれ、13年ぶりの売上減少、 最大の「もの言う株主」、アイカーンが株を手放したと発言
この波乱の週のキーポイントを見ていく。
まずTwitterのマイナスはほぼそのままFacebookのプラスになっている。Twitterの決算で投資家に「SNSの広告収入は期待したほど急速に伸びてていないのではないか」という懸念が生じたとしてもFacebookのブロックバスター的決算でそうした不安は吹き飛ばされた感がある。Twitterは数百万の新しいユーザーを追加してユーザーベース数の減少という不安に応えたが、肝心の売上の伸びが予測を下回り、市場は鉄槌を下したFacebookの場合はその逆だ。
次に、さらに重要な点だが、Appleの成長エンジンはついにスローダウンし始めた。Appleはこの四半期のiPhonesを販売台数を5120万台と発表したが、その前の四半期には6120万台が売れていた。長年Appleはテクノロジー業界の風見鶏だった。Appleが成長しているなら業界も成長していると考えられていた。成長していないのなら業界を取り巻く環境に何か問題がある。しかし今回何十億ドルという価値が時価総額から削られたのはApple自身の問題だった。
そしてAmazonはついにウォールストリートが期待していたとおりのモンスターになりつつある。Amazonのクラウドビジネス、AWSは25億7000万ドルを売上げ、ジェフ・ベゾスの「AWSは通年で100億ドルを売り上げる」という目標を達成しそうだ。さらに重要なのはAmazonが4期連続で黒字を計上した点だ。これまでAmazonは利益という点では投資家を無視していると考えられてきた。それが着実に利益を出すようになったことは、Amazonの今後の新事業参入や国際展開に好影響を与えるだろう。
【略】
もちろん株価がダウンした企業も依然として巨額の売上を上げ続けている。AppleとGoogleは10億ドル単位で利益を出しているし、Twitterの売上も億ドルの単位だ。しかし株価は成長性に連動している。成長中であり、成長が維持できることを示した企業の株価はアップする。投資家がそうした会社の株を所有することにメリットを見出すからだ。それがさらに株価を押し上げるという循環が生まれる。こうした企業の場合、ウォールストリートの投資家からの圧力を気にせず、自由に戦略を決められる。また人材獲得の面で問題に直面することもない。
決算発表はこの後も続くが、以上に見てきた企業に比べれば小規模な会社となる。だか原則は変わらないだろう。ウォールストリートは成長性を認めた会社の株価はアップさせ、成長性を欠くと認めればダウンさせるに違いない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)