「ペットに健康な毎日を」を掲げるPetVoiceが、犬、猫を対象としたペットの健康管理ウェアラブルデバイスの先行予約販売を、2021年7月27日よりMakuakeで開始した。
同社は2020年7月にCEOの深田篤氏とCTOの大城啓吾氏が設立。深田氏は、家族に迎えた保護猫があまりに人間慣れしておらず、自宅で迎えた当初は怯えてストレス過多な状態であったことから、これを理解して解決してあげられるサービスが欲しいと思ったことがきっかけだったという。当初はオンライン診療サービスを考えたが、動物は病状を言葉で伝えられないため、会話以外の手段としてデータ計測とオンライン相談をセットでリリースすることにした。大城氏はSonyでXperiaの開発設計をしていたが、現在は取締役CTOとしてPet Voiceのハードウェア開発、機械学習構築等に従事しているという。
スマホ並みの高機能首輪デバイスでペットの健康状態を把握
同サービスは首輪型ウェアラブルデバイス「PetVoice CORE」、データの中継と充電を担うホームデバイス「PetVoice HOME」、そしてスマートフォンアプリの3つから構成される。アプリでは、デバイスで検知したデータが確認可能で、異変を検知したら、全国150の提携済み獣医に相談が可能だ。「獣医師からしても、ペットが家でどう過ごしているかデータがあるほうが正確な検診ができる」と深田氏はいう。
通常、体温は直腸計測を行うが、首で取得した表面温度は直腸体温との相関関係が確認されており、深部体温が推定可能だそうだ。動物の種別や毛量を入力することで、より正確に計測できるとのこと。HOME側には気温センサーもあるため、季節やエアコンの影響を調整することもできる。また、行動測定のため、COREには、加速度センサーとジャイロセンサー、地磁気センサーの3つが搭載されている。生後半年からの着用が推奨されているそうだ(ベルトで長さ調節は可能)。
安価で高性能を目指す、犬猫の両方に対応
Makuakeでは買い切りモデルとして販売し、今後は月額サブスクで販売していく予定。競合製品との比較では、高性能で安価を目指した。すでに市場に投入されている製品の価格は1万円から2万円だが、エントリーハードルを下げるためにサブスクリプションモデルを採用している。性能では、相対的に重量がさほど変わらないままで、搭載センサーを増やしており、取得可能データが多い。
主な対象としては、病院に行く機会が増えてくる高齢の犬猫を想定しているというが、具合が悪くなってからでは遅いため、健常な犬猫に対しても日常的にデータを取得することで、予防医療につなげるねらいだ。
苦労したこととして、深田氏は犬猫両方に対応させたことを挙げた。「1点目は、猫は首輪を外れやすくする(首吊り防止)、犬は外れにくくするというこれまでの前提があり、その両方に対応させること。2点目は、生態データや行動データを取得し機械学習していく上で、体格や習性など、動物の前提が大きく違うため、分析に対応すること。体格別にデータ分析をしていきたい」と述べた。
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