真のTechnicsは死んだ(またもや)…貴重なブランド資産をもっと正しく扱え

technics-grand-class-sl-1200gr

[筆者: Travis Bernard]
TechnicsがCES 2017で、ターンテーブルGrand Class SL-1200GRを発表した。それは基本的に、昨年発表されたSL-1200Gの微調整バージョンだ。

レコード盤のファンなら、こいつは廉価バージョンだ、と思いたいところだが、しかしそれはまったく違う。Technicsは価格を発表していないが、Gizmodoの記事は2000ドルぐらい、と言っている(昨年の機種は4000ドルだった)。

もしもその新しい“廉価版”のTechnicsのデッキが本当に2000ドルなら、真のTechnicsは死んだ(またもや)と言っても過言ではない。

この惑星上のすべてのDJが欲しがるのは、Technics SL-1200 MK2だ。それは世界でもっとも人気の高いターンテーブルのひとつであり、今なら中古をeBayで1000ドル以下で買える

高級機のTechnics SL-1200 MK2がまだ中古でたくさんあるのに、誰が新しいバージョンに2000ドルを払うだろうか?

また、同程度の機種なら今や何十種類もあって、とても安く買えるのに、新しいTechnicsのターンテーブルにお金を払う人がいるだろうか?

PansonicがTechnicsをリブートしたのは、ターンテーブルの有名ブランドの復帰を願うたくさんのDJたちの気持ちに応えるためだ。数年前には、生産再開を訴える署名活動に27000名あまりのDJの署名が集まった

PanasonicがTechnicsブランドの復帰を決めたのは完全に正しかったが、その地獄から蘇ったものは、まったくTechnicsではなかった。

今後もずっと、Technicsという名前が持つ“ブランド資産”の正当化努力を続けてほしい。今の現実は、PanasonicがTechnicsという名前を、その復活よって破壊したのだ。

それはもはや、Technicsではない。単なる“高すぎる商品”だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。