2019年のCESに出展されたMuse Softband(ミューズ・ソフトバンド)を憶えているだろうか。正直なところ、誰も憶えてないかもしれない。しかし私は憶えている。なぜなら、CESで見たし、その通常版をおおいに気に入ったからだ。私は、瞑想でマインドフルネスが一気にかなうという考え方には今でもかなり懐疑的だが、Muse 2は思考を沈静化させるためのハードウェアとしては魅力的なものだった。
1年間の沈黙の後、リブランドされたMuse Sの発売準備が整った。まず名前が好きだ。日本の投資会社を連想させる「ソフトバンド」よりずっといい。「S」は「Soft」と「Sleep」のSだ。この2つの要素が仲良く共存している。また「Savvy move on Muse’s part」(機転が利いたMuseの動き)の「S」でもある。2020年のCESでは睡眠技術が大いに盛り上がっているからだ。そしてもちろん、瞑想と睡眠も協調関係にある。
布製になったヘッドバンドでも、以前と同じく「バイオフィードバックによって強化される瞑想」が提供される。脳波を測定して、どの程度集中しているかを判断する。今回、そこに睡眠の要素が加わった。就寝前の5分間ほどこれを装着できるようにデザインされているのだ。Museアプリと組み合わせて使用可能で、アプリには眠りを誘う瞑想を促す「Go-to-Sleep Journey」(眠りへの旅)という機能が備わっている。類似の睡眠用マスクとは異なり、ヘッドフォンは装備していない。
だが、自分のヘッドホンを使えば、スマートフォンを手に持っている必要はない。当然のことながら、使用するヘッドホンの種類によって快適さは違ってくる。脳の活動、体の動き、心拍数を含むバイオフィードバックに基づく信号により、リアルタイムでサウンドトラックの音が調整される。これは本当にいい。私は信頼できる人に、家に帰るまでにこれが届いているように注文しておいたのだが、悲しいかな間に合わなかった。地獄のようなCESの1週間に、これがぜひとも欲しかったのに。
ともかく、届いたらすぐにレビューしたいと思う。待てない人は、Muse SならMuseのサイトなどから手に入る(現在は在庫切れ)。価格は349.99ドル(約3万8000円)。Muse瞑想アプリの利用料は月額13ドルだ。
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(翻訳:金井哲夫)