眼科手術ロボットスタートアップForSightが約11億円を調達

イスラエルを拠点とするForSight Roboticsは米国時間3月9日、メガシードラウンドとして1000万ドル(約11億円)を調達したこと発表した。Eclipse VenturesとMithril Capitalが主導するこのラウンドは、ロボット手術プラットフォームのローンチに必要な各種規制当局の承認を得られるまでの間、同社のサービスを国際市場に提供するための人員と世界的なリーチの拡大に向けられる。

ForSightの手術プラットフォームは特に眼科の手術用に設計されており、非常に高い精度が要求される分野だ。また、非常に需要の高い製品でもある。同社はBritish Journal of Ophthalmologyの最近の研究を引用して、資格のある眼科医の数は先進国では100万人あたり約72人だが、一方発展途上国では先進国では100万人あたりわずか3.7人だとしている。

「これは当社が開発した独自技術です。ロボット工学、視覚化、機械学習が利用されています」と共同ファウンダー兼CEOのDaniel Glozman(ダニエル・グロズマン)氏はTechCrunchに語っている。「これを組み合わせることで、医師は手術を民主化することができるようになります。世界中のすべての医師がこの手順を完成させ、より均一な方法で眼科手術を行うことができるようになるのです」。

ForSightは初期段階のスタートアップとしては、すばらしい実績がある。注目すべきは、Intuitive SurgicalとAuris Healthの共同創設者であるFred Moll(フレッド・モール)博士が、Mako SurgicalのRony Abovitz(ロニー・アボビッツ)氏とMithrilのAjay Royan(アジェイ・ロヤン)氏とともに、同社の戦略顧問委員会に参加していることだ。くわえて、6人の眼科医も臨床諮問委員会のメンバーとなっている。

2020年に指摘したように、医療・外科系のスタートアップはVCにとってホットなカテゴリーであり、特にシードステージでは資金調達総額の約4分の1を占めている。約600〜700社が2019年に資金を調達しており、ForSightはそれに見合うだけの関心を持たれているようだ。同社の目標はその技術をさまざまな市場に提供し、質の高い眼科手術を受けるための競争条件を平等にすることだ。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:ForSight資金調達医療

画像クレジット:ForSight Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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TechCrunch Japan

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