米規制当局、グーグルがSonosのスピーカー特許を侵害と判決

米国際貿易委員会(US International Trade Commission、ITC)は、Googleがスピーカーと製造法に関する特許を侵害したとするSonosの訴え同意した。最初の決定は8月に出されていたが、今回判決が終結し、Googleは、Sonosの知的財産を侵害していると認められる製品を輸入できなくなる。Googleはその製品を中国で製造しているため、60日後に輸入禁止が適用されると、それらを米国へ送ることができなくなる。

Sonosは2020年に5つの特許に関してGoogleを訴え、その中にはワイヤレススピーカーをお互いに同期する技術もある。The New York Timesによると、侵害に該当する製品にはGoogleのHomeスマートスピーカー、Pixelとコンピューター、そしてChromecastデバイスが含まれる。輸入禁止となったGoogleの広報担当者は、この判決でデバイスの輸入と販売が中断することはないと述べている。

「私たちは本日の判決には同意しないが、ITCが弊社修正設計を承認したことには感謝する。私たちはさらなる見直しを求め、パートナーシップと知的財産に関するSonosの根拠のない主張に対して私たち自身を護っていく」と広報担当者はProtocolに語る。委員会は、最終判決でその新しい設計を否定しなかったため、Googleはそれらを実装することができる。

Nestのチームは最近、スピーカーグループの部分的変更を発表し、それを「最近の法的決定によるもの」と述べている。最も顕著な変更は、今後ユーザーは、グループ内のすべてのスピーカーのボリュームを一度に調節できなくなることだ。各スピーカーを、個々に調節しなければならない。

Sonosの法務担当最高責任者(CLO)であるEddie Lazarus(エディ・ラザロ)氏は声明の中で次のように述べている。「Googleは製品の機能を劣化または排除することで、ITCに科せられた輸入禁止を回避することもできるが、それでもなおかつGoogleはSonosの数十ダースもの特許を侵害している」。すなわち、Sonosにロイヤリティを払わないかぎり特許権侵害になるのだ。

以下は、その声明の全文となる。

ITCが本件で争点となっているSonosの5件の特許を明確に検証し、Googleが5件すべてを侵害していることを明確に裁定したことに感謝している。これは、特許訴訟では極めて稀な全面的勝利であり、Sonosの広範な特許ポートフォリオの強さとGoogleのコピー拒否の空虚さを浮き彫りにしている。これらのSonosの特許は、家庭用オーディオシステムを制御するためのセットアップ、複数のスピーカーの同期、異なるスピーカーの独立した音量制御、スピーカーのステレオペアリングなど、非常に人気の高い家庭用オーディオ機能に関するSonosの画期的な発明をカバーしています。

ITCが課した輸入禁止を回避する方法で、Googleは製品の機能を低下させたり削除したりできる可能性がある。しかし、Googleはこの輸入禁止措置を回避するために消費者の体験を犠牲にするかもしれないが、同社の製品は依然としてSonosの特許数十件を侵害し、同社の不正行為は続くだろうし、Sonosに対する損害賠償は今後も発生し続けるだろう。あるいは、他の企業がすでに行っているように、Googleは不正流用した技術に対して公正な使用料を支払うこともできる。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:

原文へ

(文:Mariella Moon、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。