昨日(米国時間8/11)、Adblock PlusはFaceookの広告ブロックを無効化するアップデートを回避して広告をブロックするアップデートをリリースした。しかしFacebookがTechCrunchに述べたところによれば、AdBlock Plusの回避策は「広告だけでなく友達の投稿や有益なページも削除してしまう不器用な仕様」だという。.Facebookの主張はこうだ。
問題の広告フィルター会社の新しい広告フィルターが広告をブロックするだけでなく、友達の投稿やページもブロックしてしまうことによってユーザーの体験を大きく損なっていることにわれわれは失望した。これはユーザーにとって望ましいことではないのでこの問題への対処を計画している。 広告ブロック・フィルターは洗練さを欠く製品だ。Facebookが広告表示設定のようなツールを提供してユーザーに広告の表示を委ねているのはこれが原因だ。
この「対処計画」はすぐに公開されるらしい〔アップデート参照〕。Facebookの事情に通じた情報源によれば、今日中、あるいは数時間後にもAdblock Plusの広告フィルターを再び無効化するアップデートが公開される。当初Adblock PlusがFacebookの広告をブロックするのに2日かかっていたのに比べるとFacebookに対応はその何分の一かの時間しかかからないようだ。
アップデート:情報源によれば、FacebookはAdblock Plusの広告ブロックを無効化するアップデートの公開を始めた
アップデート2: 太平洋時間8月12日午前4時30分:Adblock Plusはさらに新しい回避策を公開したとツイートした。
アップデート3:太平洋時間8月12日午前10時05分:FacebookはAdblock Plusの新しい回避策を無効化したと発表。Adblock Plusはこれにもすぐに反撃するとブログ記事で宣言した。「イタチごっこ」が盛大に始まっているのは間違いない。
火曜日にFacebookはウェブの広告をHTMLコードの中に埋め込むことによって広告ブロックソフトのフィルターを回避するようにしたことを発表した。Facebookは広告ターゲティングにおけるユーザー側のオプトアウトをさらに強化し、広告ブロッカーが使われる最大の理由に対処すると同時に、ビジネスとユーザーを結びつけるという重要な機能を果たしていくとした。また広告によって成立しているウェブサービスから広告を奪うのは誤りであるとも指摘した。【略】
このイタチごっこでAdblock Plusは不利な状況にある。一部のプラットフォーム上ではユーザー側はフィルターをアップデートするかマニュアルで編集する必要がある。一日一回のアップデートでさえ遅すぎるかもしれない。FacebookはAdBlock Plusのフィルターを無効化するコードを一方的にリリースすることができるし、ユーザー側では何もする必要がない。つまりAdblock Plusのユーザーが新しいフィルターにアップデートしたときにはFacebookは一足先にそのフィルターを無効化するコードを実装ずみということがあり得るわけだ。
さらに重要な点は広告フィルターによってAdBlock Plus得る収入よりFacebookが失う収入のほうがはるかに大きいことだ。
しかし一方でFacebookはFTC〔連邦取引委員会〕の規定に従い、消費者を誤認させないため、広告に必ずSponsoredと表示しなければならない。このラベルはAdblock Plusがターゲットを特定するのに役立つ。
この戦いは広告ブロックというソフトウェアの正当性についての議論を再燃させた。広告ブロックを利用するユーザーの考えも多様だ。一部のユーザーは広告ブロックは広告テクノロジーの暴走をチェックし、プライバシーを保護するのに役立っていると感じている。単に広告を見たくない、あるいは広告が読み込まれる無駄な時間を省いてウェブ閲覧を高速化したいというユーザーも多いだろう。
逆にソーシャルメディアやオンライン・ニュース・サービスは広告ブロックに反発している。広告ブロックはメディアとそのコンテンツのクリエーターから正当な収入を奪うものだとしている。また「広告ブロックのデベロッパーは実のところユーザー体験の向上などは考えておらず、ある種のランサムウェアを開発しているだけだ。その証拠に料金と引き換えにフィルターを通過させ広告表示を可能にしているではないか」という主張もある。
オンライン広告テクノロジーは近年大幅に進歩した。広告ブロッカーは洗練を欠くフィルターであり、マルウェアやプライバシーを侵害する広告をブロックする一方で比較的無害なサービスの表示を妨害して収入の機会を奪っている。どちらの側も譲る気配はない。Facebookとクラウドソースされた広告ブロックのハッカーの戦いはまだまだ続くだろう。
画像: Bryce Durbin
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)