買い物代行のInstacartが空前の需要対応でサポートチームを倍増

新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止を受け、Instacartはグローサリー配達サービスに対するこれまでにない需要に直面し、ショッパーや顧客、提携する小売店のサポートを強化する。

Instacartは4月10日、ケアチームのスタッフを1200人から3000人に倍増すると発表した。ケアチームはInstacartの仕組みや配達、住所間違い、そのほか一般的なトラブルなどについての質問に答えている。

このニュースの前に、Instacartのショッパーが先月、個人保護用品や危険手当、チップのデフォルト額アップ、疾病手当の拡大適用を求めてストライキを行った。

先週だけでも需要が対前年比で300%以上増えていて、Instacartは雇用を大幅に増やしている。先月の活動しているInstacartショッパーは35万人で、その2週間前の20万人から大幅に増加している。

そしてInstacartは、5月までにケアチームに加わる1万5000人を追加で採用し、契約したことも明らかにした。ケアチームのスタッフは総数1万8000人となる。

Instacartが新たに採用した人の一部は、観光・旅行業界で最近解雇された、経験のある人だ。

需要が増えるにつれショッパーにはこれまでになく負担がかかっていて、ケアチームは拡大するショッパーネットワークを正常に機能させるための同社の新たな試みのようだ。同社は先月、賃金ポリシーの拡大や非接触の支払いオプションを明らかにした。また、配達をよりフレキシブルに、そして早くすることを目的としたショッパーのための新機能も導入した。

今週初め、客による「チップ釣り」というひどい手法が発覚した。それは、アプリを通じての請求書に客は大きな額のチップを記載して、グローサリーをピックアップするようショッパーをおびき寄せる。そしてショッパーがグローサリーを届けた後に、客はチップを小額に、あるいはゼロにするというものだ。

グローサリーが届いてから3日後までチップの額を変更できるというのは、Instacartのアプリを通じて提供されているオプションだ。

Instacartによると「チップ釣り」はまれだ。注文の99.5%では、客はチップを上方に調整したり、全く調整しなかったりする。同社はまた、客が少なくとも最低額のチップを払うよう、客によるチップ入力部分から「チップなし」というオプションを削除した。

こうした機能のアップデートは好影響をもたらすだろうが、その一方でグローサリーが届けられた後に客がチップ額を変更することをInstacartはまだ禁止してはいない。チップは所詮、客次第のものであるため、新たなケアチームもまた「チップ釣り」からショッパーを守ることはできないだろう。

加えて、ショッパーはチップのデフォルト額をコロナ禍の間は10%にするよう求めているが、Instacartはチップ最低額を変更していない。

ケアチームの大量採用は「チップ釣り」ではなくサービス需要増に関係している、と同社は話している。

画像クレジット: Instacart

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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