運送業者の積荷共有を手配するFlock Freightが119億円調達、ソフトバンクやボルボらが出資

何千、何万台というトラックが毎日貨物を載せて米国の幹線道路を走り、消費財、電子機器、自動車、農作物を配送センターへ、最終的には家庭へと送り届けて経済を支えている。そのトラックの内側はほとんどが半分空っぽだ。カリフォルニア州サンディエゴの設立5年のスタートアップFlock Freight(フロック・フレイト)は、その場所が業界を変えると信じている。

そしていま、それを試して実行するための資金を手に入れた。

米国時間12月2日にFlock Freightは、シリーズCラウンドでSoftBank Vision Fund 2(ソフトバンク・ビジョンファンド2)から1億1350万ドル(約118億6000万円)調達したと発表した。既存出資者のSignalFire、GLP Capital PartnersおよびGoogle Venturesも参加し、戦略パートナーであるVolvo Group Venture Capitalが新たに少額を出資した。SoftBank Investment AdvisersのマネージングパートナーであるErvin Tu(アービン・トゥ)氏がFlock Freightの取締役に就任する。これまでに同社は総額1億8400万ドル(約192億2000万円)の資金を調達し、資金調達後の会社価値は5億ドル(約522億3000万円)になる、と本件に詳しい情報筋がBloomberg(ブルームバーグ)の速報を裏付けた。

ここ数年、テクノロジーでトラック輸送を変えようとするスタートアップが数多く出現している。トラック輸送は米国内の輸送の70%以上を受け持つ米国経済の柱であり、彼らはそれをもっと効率の良いマシンに変えようとしている。ほとんどのスタートアップは、トラック運転手と運送業者を結ぶデジタル運送ネットワークを作ることに焦点を合わせている。

しかしFlock Freightは、貨物そのものに注目した。この会社はさまざまな貨物を1つの共有積載として集約することで貨物輸送の効率を高める。Flock Freightによると、同社のソフトウェアは、多くのトラックが積載量の半分以下しか貨物を載せていない(業界でLTLと呼ばれている)伝統的な「ハブとスポーク」システムを回避する。同じ方向に行く貨物を1台のトラックにまとめることによって、運送関連の二酸化炭素排出量を40%減らせると同社はいう。

新たな資金は従業員を増やすために使われる。現在同社には129名の従業員がいる。

「テクノロジーによるワークフローの自動化によって効率を改善するデジタル貨物マッチング方式と異なり、Flock Freightはテクノロジーを使って、貨物輸送の効率を高める新しい運送モデル(共有積載)を作りました。Flock Freightのアルゴリズムによって、運送業者は長さ44フィート(13.4m)までの荷台のLTL(空きスペース)問題を心配しなくてよくなります。代わりに 「shared truckload」(共有積載)として利用できるのです」とFlock FreightのファウンダーでCEOのOren Zaslansky(オーレン・ザスランスキー)氏が声明で語った。「運送業者はFlock Freightの効率のよい共有積載ソリューションを利用して需要の増加と高まる緊急性に対応できます」。

このうたい文句には、VolvoやSoftBankをはじめとするさまざまなベンチャーキャピタルや企業投資家を引きつけるだけの説得力があった。

「Flock Freightは何十万という運送業者のサプライチェーン効率を改善します。私たちの投資は同社が事業規模を拡大し、より大きな市場シェアを獲得する能力を加速することが目的です」とSoftBank Investment Advisersのマネージング・パートナーであるトゥ氏は語った。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Flock Freight物流SoftBank Vision Fund資金調達

画像クレジット:Flock Freight

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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