消費者向け遺伝子検査の先駆けである23andMeは、世界中の多様な遺伝データを積極的に収集し、その領域でトップを目指すと発表した。
同社は本日、系統解析サービスを単独のサービスとして99ドルでリリース、自分の遺伝的出自に興味を持つ人たちは、試験管に唾を吐くだけで自らの祖先や親戚をたどることが出来るようになる。
DNAで家系をたどるサービスは創業者のAnne Wojcickiによると同社のプラットホームにおいて大変人気のあるサービスで、一般的な遺伝学そのものに対しても良い導入点なる。さらに、世界中の誰もが自分たちがどこから来たのかを潜在的に知りたがっているという点で、このサービスに対する需要は万国共通のものがある、とWojcickiは付け加えた。
しかしながら、同社の祖先解析コースのレポートは、人種の多様性を反映した遺伝情報を著しく欠いている点が、厳しく批判されている。例えば、Euny HongがQuartzでレビューを書いているように、彼女の遺伝情報はレポートによるとたった76人の朝鮮人に由来しているということだ。
23andMeによると既に幾つかのプログラムが始動して、そのプラットフォームにおける有色人種の遺伝的データを充実させようとしている。同社は今春、Roots into the Futureというプロジェクトを導入し、アフリカ系アメリカ人の遺伝情報の収集を行っている。さらに、23andMeはHuman Genome Diversity Projectの資金援助も行い、現在アフリカにおいて2つのプロジェクトが進行中で、祖先を構成する遺伝データの多様性の増加を図っている。
しかし、23andMeにとって注力すべき箇所は一点ではない。実際、全米バイオテクノロジー情報センターによれば、遺伝的同定において使用されるサンプルの96パーセントがヨーロッパの人々からのものだった。
そして、その反動がくる先は少数の遺伝的サンプルから成るグループだ。その点に関して言えば、単にもっと多様性を確保すべく世界中の人々に自社の製品を売り込もうという観点のみならず、ヘルス・リサーチ一般に対する意味合いが大きい。つまり、大きいサンプルサイズを確保することで病気の遺伝的マーカーを発見する確率がずっと増し、また研究が正しく行われる確率も上昇するのだ。
23andMeによると、同社が現在供給しているデータに対しては自社独自の研究で対応するものの、次のステップに進むためには一般大衆の参加が必要ということだ。
23andMeが今後増やしていきたいと考えている研究の良い例が、最近発表された、ネバダ州で行われる集団遺伝調査だ。ネバダ州行政府はRenown Health FoundationとNevada’s Knowledge Fundの援助を受け、同州の何千人もの市民に対し無料テストの機会を提供し、健康状態、人口構成、遺伝的・環境的データを調べることを引き受けた。
もちろんネバダはほとんど白人とヒスパニックだ。しかしWojcickiは他の参加者が同様のテストに参加してくれることにより、人種の偏りのギャップを埋めてくれていると期待している。
「この領域には素晴らしい可能性があります。大きなグループの利点を生かせば、そのグループ内で協力し個人それぞれの医療記録を照らし合わせることで、個人にあった医療、オーダーメイド医療といった点で、真に革新をもたらすようなコミュニティーの形成が可能になり、研究が飛躍的に進むでしょう」と、WojcickiはTechCrunchに語った。
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系統解析コースは元来、顧客に提供されるサービスの一部分であり、そのサービスの中に健康に関するデータも含まれていた。現在、顧客は系統解析コースを単独で選ぶことも出来るし、健康・系統解析の両方の選択も可能だ。
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(翻訳:Tsubouchi)