連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)の米国時間2月26日の発表によると、同委員会は初めて、偽のレビューを使ってオンラインで製品を売る行為を訴件として取り上げることになった。同委員会によると委員会はニューヨークの企業Cure Encapsulations Inc.とそのオーナーのNaftula Jacobwitzを被告として、減量サプリメントに関する嘘の主張と、サードパーティのウェブサイトに金を払ってAmazonに偽のレビューを投稿させた件で起訴することになった。
偽のレビュー(フェイクレビュー)はAmazonで買い物をする者(ショッパー)に常につきまとう迷惑行為だ。レビューシステムのアルゴリズムに安全策を講じたり、偽レビューの投稿をビジネスにしているWebサイトを告訴しても、それらを掃除できなかった。
FTCの訴えによると、Cure Encapsulationsは熱帯の果実ガルシニアの成分を含むピルを売っていたが、その果実は自然な減量促進食として利用されることもある。そのピル、Quality Encapsulations Garcinia Cambogiaは、Amazonでのみ売られていた。Jacobwitzはwww.amazonverifiedreviews.comと呼ばれるウェブサイトに金を払って好意的なレビューを投稿させ、その製品の評判を上げようとした。
2014年10月8日にJacobowitzはそのサイトの運営者にメールを送り、評価の星の数4.2を4.3に上げるために、1日に3つ、計30のレビューに対し1000ドルを払う、と言った。それは売上を得るために必要な措置であり、最終的には製品が星5つに留まるようにしたい、とも言っている。そこでwww.amazonverifiedreviews.comは、そのピルを褒めそやす一連の5つ星レビューを投稿した。FTCによると、それらのレビューは、そのピルが強力な食欲抑制剤であり、最大で20ポンド(9キログラム)の減量を達成し、新たな脂肪細胞の形成をブロックする、といった嘘の主張をしていた。
FTCによる同委員会の調停案は、FTCに5万ドルと未払い所得税などを払えば罰金1280万ドルの判決を猶予する、というものだ。その調停はまた、Cure EncapsulationsとJacobwitzが今後、人間に対する臨床試験により得られた信頼できる科学的エビデンスなくして減量や脂肪ブロック、疾病治療などを主張する食餌療法的サプリメントを売ることを禁じている。また彼らは、フェイクレビューなどの偽りの推奨を禁じられ、さらにAmazonと実際にピルを買った顧客には、どのレビューが偽であったか、および今回のFTCの申し立てについて、メールなどで報告しなければならない。
FTC消費者保護局のディレクターであるAndrew Smith氏はプレスリリースの中で、「企業がフェイクレビューを買ってそのAmazonの格付けを膨張させようとする行為は、ショッパーと規則に従って行動している企業の両方を傷つける」と述べている。
AmazonのスポークスパーソンはThe Vergeへの声明で、「私たちはこの分野におけるFTCの働きを歓迎する。Amazonは私たちのストアにおけるレビューの真正性を護るために大きな投資をしており、それは、お仲間のショッパーたちと共有する知見や体験を顧客が重視することを、私たちもよく知っているからだ。私たちには、レビュワーと物販パートナーの両方に対する明確な参加指針があり、私たちのポリシーに違反する人びとには、参加の停止や禁止、法的措置などを講じている」と述べている。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)