飛行機や自動車などでユーザーの認知状態を識別し致命的なヒューマンエラーを予見・回避するCorrActions

センサーデータを用いて、眠気やアルコール、疲労などに影響されるユーザーの認知状態を査定する非侵襲的神経科学のスタートアップ「CorrActions」は、イスラエル時間5月27日、シードラウンドで270万ドル(約3億円)を調達したと発表した。アーリーステージファンドのVentureIsrael、シードファンドのOperator Partners、政府系ファンドのIsraeli Innovation Authority(IIA、イスラエル・イノベーション・オーソリティ)が、OurCrowdのインキュベーターLabs/02を拠点とする同社を支援している。

CorrActionsのアイデアは、戦闘機のコックピットや自動車など人間が機械と相互作用する、そしてユーザーの認知状態を知ることで致命的なエラーを防ぐことができる場所にタッチセンサーを使用するというもの。同社は、独自アルゴリズムによりユーザーの認知状態を識別し「体動監視により無意識の脳信号を解読する」ことで、エラーが発生する150ミリ秒前にエラーを検出できると約束している。このシステムは、基本的にどこに実装するかに依存しない汎用的なプラットフォームであるため、ほとんどの場合ユースケースを問わない。

「CorrActionsは、スマートウォッチやスマートフォン、さらにはステアリングホイールやジョイスティックなど、ほぼすべての電子機器にすでに搭載されているセンサーを使い、ユーザーの筋肉活動の微小な変化を分析することで、その瞬間の認知状態を読み取ることができる世界初のシステムです」と、同社の共同創業者でCSOのEldad Hochman(エルダド・ホフマン)氏は説明する。「ユーザーが2分間電子機器に触れるだけで、認知状態を正確に数値化し、故障や事故につながる急激な悪化を予測することもできます。そのような事態が起こる数秒前に予見できるのです。つまり疲労、酔い度、疲弊、集中力の欠如などのレベルを任意の瞬間に数値化できるということです」。

もちろん、最近の自動車の多くには覚醒度をモニターするセンサーが搭載されている。CorrActionsがすでに自動車業界の数社と共同で実証実験を行っているのも不思議ではない。さらに防衛産業ともプロジェクトを進めており、同社のシステムがパイロットのパフォーマンスを評価できることを示している。ホフマン氏は同社のアルゴリズムによって、スポーツ選手や高齢者が怪我や転倒の危険にさらされているときに警告を発することができるかもしれないとも考えている。

同社は今回の資金調達により、アルゴリズムのさらなる開発と、特に自動車業界における現在の導入パートナーのサポートを行っていくという。

CorrActionsの共同創業者兼CEOであるZvi Ginosar(ズヴィ・ジノサール)氏はこう述べている。「当社は、基本的な操作ミスを防ぐことで企業の工数やコストを削減できる可能性を秘めた技術を開発し、すでに大きな成果を上げています。さらに、当社のプラットフォームを応用することで、人命を救い、何千もの事故やミスを防ぐことができます。今後数カ月のうちに、さらに画期的な成果や実証実験を報告できるようにしたいと考えており、今回の資金調達はこの目標達成に大きく貢献するものです」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:CorrActions資金調達イスラエルヒューマンエラー

画像クレジット:anand purohit / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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