高校生のためのソーシャルアプリHAGSにGoogleの投資部門らが1億円相当を投資

今や高校もリアルとバーチャルのハイブリッドになってしまい、友だちと実際に会う機会も減り、しかも現在のソーシャルアプリではクラスメートと強い絆を築くことができないようだ。そこでHAGSは、高校のネットワークを軸とするソーシャルネットワークを作り、Google(グーグル)のベンチャー部門であるGVから初期の資金を獲得している。

チームが作っているのは、ジェネレーションZの高校生のソーシャル化にフォーカスした昔ながらのSNSだ。最初彼らは、デジタルの卒業アルバムを構想し、高校生たちが学校生活の最後の週から新型コロナウイルスのパンデミックで引き離されても、バーチャルの卒業アルバムに友だちへのメッセージを残すことができ、思い出をSnapchatで分かち合えるというアプリだった。HAGSという名前は「have a great summer(楽しい夏を過ごしてね)」の頭字語で、クラスメートの卒業アルバムにざっと手早くなぐり書きされることの多いメッセージだ(米国における高校の卒業式は6月初めごろ)。

HAGSの若き創業者チームは全員リモートで、CEOのSuraya Shivji(スラヤ・シヴジ)氏が23歳、彼女の弟である18歳のJameel(ジャミール)氏、そして共同創業者である19歳のJames Dale(ジェームズデール)氏の計3名がプロダクトを作っている。同社によると、ローンチからこれまでに「数万名の高校生」がこのアプリを使ったという。アプリの制作時にTwitter(ツイッター)の上で投資家たちの目に止まり、初期の投資の一部が始まった。

GVのTerri Burns(テリー・バーンズ)氏はTechCrunchに対して「これだけ早い段階の投資では、プロダクトや技術よりもチームを重視することになる。HAGSの現状はまだ本当に早期の段階だが、実験精神に溢れている」と語っている。

HAGSのチーム。(画像クレジット:HAGS)

HAGSのチームが得たのはGVが率いる100万ドル(約1億600万円)の投資で、BoxGroupとひと握りのエンジェル投資家が参加した。彼らの一部にとっては小さな投資だが、チームのプロダクトである10代のためのソーシャルプロダクトには、彼らがよく知っている時宜を得た機会がある。HAGSのアプリは高校のネットワークを利用し、ユーザーには自分の学校にログインするよう促す。チームはすでに、いくつかの高校で「アンバサダー」のネットワークを構築し始めており、彼らからアプリのユーザーを広げたいと考えている。

アプリは、高校生たちがパンデミックのおかげで前例のない困難な社会化を経験しているときに登場した。それは生徒たちを、普段の友だちグループを超えたもっと多くのクラスメート接触させるソーシャルアプリにとってもチャンスだ。

チームは、SnapchatのSnap Kit SDKで卒業アルバムを作るところからスタートしたが、数カ月後にそのアプリに加える予定の次の機能はまだ決めていない。チームはユーティリティの拡張を狙っているが、コアとなる機能の開発も引き続き行いたいと考えている。

「最近は方針も固まってきたが、私たちが作るもののすべての基盤は、楽しいものを作ることだ。そしてそれが社会に必要とされていて、私たちが一番やりたいものでもあることが重要だ。今は、私たちは基本的に高校生のための社会的に親密な空間をどうやって作り上げるかを模索しています」とCEOのスラヤ・シヴジは語る。

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画像クレジット: HAGS

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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