魚群撮影などにも有益な海中ドローンのPowerRay

卵型ドローンのPowerEggの開発社が、新しいプロダクトの注文受付を開始した。新たなプロダクトとは、趣味で利用する水中ドローンだ。名前をPowerRayという。防水メカで、海の中の魚を見つけたり、追いかけたり、あるいはビデオにおさめることができる。水深30mで4時間まで動作することができる。川でも海でも、あるいはプールでも問題なく動作することができる。

PowerRayが最初に発表されたのは2017年1月のCESにおいてだった。もちろんこの時点では、テックおたくを喜ばせるためのギミックとしてのデビューではあった。しかしマリン系の人たちが興味をもつものかどうかをうかがう意味もあったのだ。

基本パッケージには、ベースステーションと繋ぐ50mのケーブルも同梱されている。水の流れに流されてしまうのを防ぐとともに、電源ケーブルおよびビデオケーブルとしても機能するようになっている。PowerRayでは、すべてのモデルで4Kカメラを搭載している。光学パーツはZEISS製だ。

ミッドレベルのパッケージとなるPowerRay Anglerには、魚を捉えるためのツールも付属している。すなわちPowerseeker Fishfinderがライトを照らして魚の注意をひき、Bait Drop Lineを使って餌をまくこともできるようになっている。

Wizardエディションになると、VRヘッドセットも付属している。これを使えばウェットスーツなしに水の中を散歩する気分を味わうことができる。PowerRayの最も安いモデルは1,715ドルで、もっとも高価なモデルが2,250ドルとなっている。まずはヨーロッパでの販売が開始されることとなっている。

ちなみに、海中で動作するドローンはPowerRayのみというわけではない。スタートアップのOpenROVが扱うTridentというモデルもある。

PowerRayがサンフランシスコ湾にて撮影した海洋写真

PowerVisionのアメリカ支部におけるCEOであるChih-Che Tsaiは、PowerVisionは趣味にとどまることなく、実用にも使えるものだとしている。これまでもソナーを使えば地形や魚群を探知することができたが、船に固定するのではなく、自在に動きまわる装置にセンサーを装着することで、新たな可能性を開くことができるのだとのこと。

PowerRayのCEOから話を聞いたのは、サンフランシスコのAquarium of the Bayで行われたローンチパーティーでのことだ。お披露目の行われた水族館では、鮫の遊泳は禁止となっていた。それはすなわち、鮫などがドローンを食べようとするのを防ぐためのことだ。

それでもパーチやバスは泳いでいて、ドローンが近くまで接近する様子を見ることができた。ドローンは流れの中でもきちんと制御されていた。なお、魚たちはドローンから逃げようとはしていなかった。きっと、魚の世界でもドローンなどの人工物が一般化しているということなのだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。