Fordは自動運転車によるオンデマンドタクシーを2021年までにスタートさせたいようだが、それもAirbusに基準に照らせばスケールが小さい ― この航空機メーカーは、都市部の高まる交通渋滞問題を解決すべく、無人〈飛行〉タクシーを現実のものにしようとしている。
2021年までに空飛ぶタクシーを拾うことはおそらくできないだろうが、Airbusは2017年中にプロトタイプを飛ばそうとしている。シリコンバレーにあるAirbusのイノベーションに特化した開発部門 A3では、コードネーム “Vahana”(名前の由来はこちら)という自動操縦飛行機を開発している。乗客、貨物いずれも塔載可能で、Amazon等の最終配達手段(ラストマイル・プロバイダー)としても利用できる。
Airubus A3グループのプロジェクトリーダー、Rodin Lyasoffは、2017年までにVahanaを飛ばすことは実現可能である、なぜならバッテリー、モーター、航空電子工学的基礎技術等の必要な技術要素は「ほぼ揃っている」からだと同社広報誌に書いている。現在チームが直面している最大の技術的課題は、総合的な障害物回避システムの開発だ。Googleの無人走行車が道路を走るためのものと似ているが、空飛ぶ乗り物用に最適化する必要がある。
自動飛行による旅客・貨物輸送機の需要が高まれば、最終的に全世界で「数百万機」が導入される可能性がある、とLyasoffは言う。しかし、現実世界でテスト飛行を行うためには巨大な障壁がある。この種の飛行隊を都市部で運行するために必要なリモート飛行は、どの国でも許されていないからだ。それでも、Airbusが運行するドローン配達サービスをシンガポールの国立大学キャンパスで2017年にテストすることが許可されれており、将来のテスト飛行への道は開かれている。
Vahanaの長期的ゴールは、Airbusが “CityAirbus” と呼ぶ、相乗り無人旅客機の基盤を作ることだ。このサービスの利用者はスマートフォンで予約した後、近くのヘリポートへ行き、他の乗客と共に無人飛行機に乗り込む。複数の乗客が相乗りすることで料金を下げることが可能になり、現在の公共交通機関に近い、お手頃価格のサービスにできるとAirbusは言っている。
これは、約束されていた空飛ぶ車が本当になるかもしれないことを意味しているのだと私は思っている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)