今日(米国時間7/1)、Amazon はEC2クラウド・コンピューティングにこれまでで最も低料金のインスタンスを追加した。このT2インスタンスはオンデマンドの場合、1時間あたり0.013ドル(月極なら9.50ドル)で、予約インスタンスの場合はさらに安い。ただし若干の注意事項がある。
まずこのインスタンスの処理能力はかなり限定されている。いちばん小さいt2.microインスタンスのデフォールト(Amazonはベースライン・パフォーマンスと呼んでいる)は最大CPU能力の10%となる。ただしユーザーには毎日一定のクレジット・ポイントが与えられ、一定時間に限ってインスタンスをフルパワーで作動させることができる。
たとえばt2.microインスタンスの場合、利用1時間ごとに6CPUクレジット・ポイントが与えられる(t2.small、t2.mediumの場合、それぞれ12ポイント、24ポイント)。使用されなかったポイントは24時間に限って蓄積でき、1ポイントでCPUを1分間フルパワーで作動させるために使える。
たとえばt2.microのユーザーがベースライン・パフォーマンスでインスタンスを起動したまま10時間にわたってCPUを使わなかった場合、CPUを1時間フルパワーで作動させることができる(10時間x6ポイント=60ポイント)。
Amazonの他のインスタンスと違って、T2の料金体系はシンプルなので予測がしやすく、またクレジット・ポイントを蓄積することによって、短時間なら大きなパワーを得ることができる。0.013ドル/時というのはGoogle Computeエンジンのローエンドのインスタンスとほぼ同じレベルの料金だ。
AWSのチーフ・エバンジェリストのJeff Barrは「このようなインスタンスはトラフィック量の比較的少ないウェブサイトのホスティングの他に実験的なプロジェクトを開発しているデベロッパーにも好適だ」と述べた。
つまりT2が主なターゲットとしているのは〔ポイントを貯めておいて〕日に何度かプロジェクトを走らせることができるホスティング能力を完備したサーバーを必要としているようなデベロッパーだろう。このような場合、Amazonの通常のインスタンスは高価すぎ、クライアントはこれまでもっと低料金のLinode、Digital Oceanなどのプライベート・バーチャル・サーバーに流れていたただろう。
新インスタンスは現在ほとんどのリージョンで利用可能だ(北カリフォルニア、中国、AWS GoveCloudの各リージョンでは利用できない)。
〔日本版〕Amazonによれば、CPUは2.5 GHz Xeon、Asia Pacific (Tokyo)リージョンから利用可能。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)